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企業のコロナ破綻率2位は香川県。全国での破綻はいつ止まるのか?

ビジネス

地方は建設業や観光業が打撃を受けている

日光東照宮

栃木県の名所、日光東照宮

 大都市圏に限らず、地方にも拡大するコロナ破綻。株式会社森経営コンサルティング代表、経営コンサルタントの森泰一郎氏によると、地方のコロナ破綻は建設業や観光業などが目立つという。

「ワースト2位の香川県については、倒産件数は高松市がトップ。製造業と建設業、不動産業の破綻が増加傾向にあります。現状はコロナで生産のストップやウッドショック(木材価格の高騰)などにより、原料価格高騰と不動産開発および建設が止まってしまったことが原因で、下請けなどの小規模事業者が倒産してしまっているのでしょう

 ワースト4位の栃木県は昨年度よりも倒産件数が大幅に増加。日光などの有名観光地を有するため、外出自粛の影響を受けている飲食・宿泊の観光関連業が打撃を受けた。またパチンコ店の倒産も目立っているそうだ。ワースト5位の佐賀県も倒産件数が4年ぶりに増加。内訳はトップが建設関連、その次に観光関連業が続いた。

行動制限が緩和されても、しばらく倒産は増える

森泰一郎

株式会社森経営コンサルティング・森泰一郎代表

 インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛によって、首都圏も地方もホテルや旅館といった宿泊業、観光業全般が軒並みコロナ破綻の波に飲み込まれている。特に先日終わったオリンピックは有観客が叶わなかったために想定していた売上がまったく立たなかった企業も少なくない。

 森氏は「オリンピックの売上を期待していた宿泊業・観光業は現在もなお体力が落ちていることから、これから行動制限が緩和されても、インバウンドの受入が増加するまでの間に倒産件数は増えていくと考えられます」と分析する。

 コロナ破綻が増えれば触れるほど心配になるのが、求人数や企業の採用意欲だ。森氏はコロナ禍が始まった1年前に比べると、今はやや回復傾向にあると言う。実際に独立行政法人労働政策研究・研修機構のデータでは2020年7月には1.09倍だった全国有効求人倍率は2021年7月時点で1.15倍と少し回復した

「全国平均では少し回復してきていますが、都市部の回復は決して芳しくありません。2020年7月の東京都の有効求人倍率は1.28倍ありましたが、2021年7月は1.19倍、大阪府も1.19倍から1.14倍と減少しました。都市部の相次ぐコロナ破綻は、今後もこうして求人倍率などにじわじわ追い打ちをかけていくでしょう」

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