瀧内公美、営業してつかんだ「憧れの監督との仕事」SNSとの付き合い方も
柄本佑さんとW主演を務めた『火口のふたり』(2019)で、キネマ旬報ベスト・テンの主演女優賞に輝くなど、高い演技力が認められている女優の瀧内公美さん(31)。現在、ある事件を追うドキュメンタリーディレクターを演じた主演作『由宇子の天秤』が公開中です。
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自らの営業活動が身を結んだ結果だったという出演経緯に始まり、マスコミ報道の不確かさと同時に、一般の見えない人々の声の威力も伝わってくる本作にちなみ、瀧内さん自身のSNSとの付き合い方などを聞きました。
自らプロフィールを渡して実を結ぶ
――最後の最後まで着地点の読めないストーリーでした。出演の経緯を教えてください。
瀧内公美(以下、瀧内):2016年くらいから、新しい役に出会うために、ミニシアターやPFF(ぴあフィルムフェスティバル)、SKIPシティや学生映画祭などを観に行っていました。
2018年にユーロスペースで『かぞくへ』という作品が上映されていて、シンプルに素晴らしかったんです。この作品を撮られていた春本監督が、映画館にいらしたのでお声がけしました。その時はちょうどフリーの時期だったので、自分のプロフィールをお渡ししたんです。それが今回の出演につながりました。
――すでに主演映画も公開されていた時期に、ご自身で地道な営業活動をされていたんですね。
瀧内:もともと作家性の強い作品が好きなんです。そういった場所には、気になる監督さんがいらっしゃるんじゃないかと思ったのと、ひとつの役でフィーチャーしていただくと、同じような役でオファーが来ることがよくあるんです。もちろんそれも有難いことですが、役者としては物足りない部分もあります。
何かがひとつの武器のようになってしまうと、それが弱点になるときもあるので。私は面白いことが好きなので、探していきたかったんです。
監督が求めているものを一生懸命に探った
――今回、実際にオファーを受けていかがでしたか?
瀧内:やったことのない役で嬉しかったです。「来た~!」と(笑)。とてもやりがいのある作品で、次のステップに行けるなと思いました。ただ150ページ以上も台本のある作品だったので、タイトなスケジュールで、日々闘いでした。
――何か発見はありましたか?
瀧内:リハーサルを2週間弱かけて、ほぼ全シーンやりました。監督のなかにはっきりとイメージがあって、それにすり寄せていく作業でした。声のトーンひとつ、目線の動かし方ひとつ、指示があるところもありましたね。自分がこういう風に持っていきたいといったことではなく、監督が求めているものを一生懸命に探る作業でした。とにかくひたすら。