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生活保護バッシングが起こる背景。「休んでも大丈夫」な社会を作るには

ビジネス

 新型コロナウィルスが猛威を振るうようになり、1年以上経過したものの政府は適切な対応を見いだせていない。そのシワ寄せは中小企業に集中。中小企業は日本の会社の9割以上を占め、日本経済を支える屋台骨と言っても過言ではない

マスク 落ち込む男性

画像はイメージです(以下同じ)

 前回前々回と、『この経済政策が民主主義を救う』などの著書がある立命館大学教授の松尾匡氏に話を聞いていくなかで、私たちの生活がますます困窮する恐れが浮かんできた。

 今回も、松尾教授に日本経済が豊かになるため、そして私たちが「頑張らなくても良い」と思える社会を作るために必要なことを聞いた。

消費税は財源ではない

 これ以上、日本経済を深刻化させないために必要な政策として「まずは消費税停止」だと、松尾氏は言う。

「消費税増税のために追い詰められた中小企業は非常に多い。なにより、消費税増税は消費財を値上げするため、国民の消費意欲をストップさせ、経済の循環を止めてしまいます。もとより、『急増する高齢者を支えるために増税して社会保障を充実させよう!』という名目で増税が繰り返されてきましたが、税金は財源ではありません。

 税金とは、市場にお金が過剰に溢れてしまうとインフレを起こしてしまうので、民間からお金を吸い上げてインフレを抑制するためのしくみです。インフレが過熱している時であれば理解できますが、長期間のデフレ下である日本において、何度も消費税増税を進めた政府の対応は大変許しがたい」

困窮している国民や企業を救うには

工場

 他にも松尾氏は「政府が積極的な財政支出を行わなければいけません」と続ける。

「2020年に実施したような一律給付金、新型コロナウィルスの影響によって損失を被った中小企業に対する手厚い支援といった広い範囲での給付策の実施。他にも、福祉や医療、子育て支援など、様々な分野への投資の拡大。

 日本の生産性の低さは長期間のデフレのために消費が冷え込んだ末の需要不足が原因ですので、政府が財政支出を拡大することにより、需要創出・雇用創出を促さなければいけません。その結果、困窮している国民や企業を救うことになり、ひいては国内産業の強靭化も進められ、危惧してきた産業空洞化を防ぐことが可能です

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