先輩にハメられ100万円の罰金を…キャバクラバイトした大学生の悲劇
賭け事で借金の落とし穴に
「先輩は大のギャンブル好きで、給料のほとんどをパチンコや競馬にあてていました。そのせいで常にカツカツだったのですが、ある日、僕を麻雀に誘ってきたんです。いわゆる賭け麻雀で、最初は僕が負けてしまい、2000円ほど払わされたのですが、徐々にエスカレートして高額を要求されるようになりました」
そもそも、賭け事は犯罪。単純賭博罪もしくは常習賭博罪が科せられます。実際に処罰される人は少ないと言われていますが、法的にリスクのある犯罪行為というのは変わりありません。先輩に対して山村さんが払えないと言うと、借金としてツケにされるようになったといいます。
「今思えば断ればいいだけの話なのですが、当時は仕事でフォローしてもらっていた恩もあって、逆らうことができなかったんです。それに水商売では先輩の言うことは絶対。今ではありえないことですが、当時はそういう風潮がまだ残っていましたね」
他にも、店が暇なときに行われるカードゲームなど、何かにつけて賭け事に強制参加させられた山村さん。先輩への借金は10万円ほどに膨れ上がりました。
キャバ嬢を使い風紀を仕掛けられる
「さすがにこれ以上は借金はできないと思い、先輩に『これ以上ギャンブルに参加させられるならアルバイトを辞めます』と伝えました。先輩は怒り狂っていましたが、もともと借用書もない違法賭博の借金。僕自身、店を飛ぶ覚悟でいました。でも、それに気付いた先輩はさらに僕をはめようとしてきたんです」
それは、キャバクラではご法度とされている“風紀”。風紀とは、黒服が店のキャストに手を出してはいけないという規則のことです。山村さんの店の場合、100万円の罰金が定められていました。
「先輩は自分が管理しているキャストを使って僕に風紀を仕掛けてきたんです。キャストから相談があると居酒屋に呼び出され、話を聞くうちにしこたま飲まされて……泥酔したところでホテルに連れていかれ、『僕に無理やりホテルに連れ込まれた』と既成事実をでっちあげられました」
先輩はそこまで頭が回る人間ではないので、入れ知恵をしたのはおそらくナンバー1キャストだろうと山村さんは予想します。100万円の罰金を支払わせ、山分けするつもりだったのでしょうか。それに気付き、すべてを無視して逃げました。