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30代、最年少で上場した社長が「キャリアアップを目指す必要はない」と語るワケ

ビジネス

創業メンバーに給与を払えない時期も

 しかし、社会人経験のない学生ゆえに、右も左もわからない状態からのスタートだったため、ビジネスを軌道に乗せるのには苦労したと振り返る。

「これまでの常識だった掲載課金型ではなく、成功報酬型のビジネスモデルが本当に成り立つのか。そう思いながら事業をつくることに必死になっていました。半年間は創業メンバーに給与を出せないくらいのどん底でしたね。そうしてできたのが『ジョブセンス(現マッハバイト)』です。転機になったのは、アルバイトに採用された求職者に『お祝い金』という形で売上の一部を還元する制度を導入したところ、徐々に認知度が広まって先が見通せるようになったんです」

 こうして「アルバイト探しはジョブセンス」という形で世の中に浸透していったのだ。また、正社員向けへの転職サイト「ジョブセンスリンク(現転職ナビ)」を2008年から開始したことで、まさに求人サイト業界に新風を巻き起こす存在となった。

頑張るよりも大事なことがある

リブセンス

 結果として、リブセンスは2011年に東証マザーズ市場、翌年には東証一部へ上場を果たす。史上最年少の25歳で東証一部上場を達成した村上氏は、多くのメディアから注目を集める若手経営者となった。そんな華々しい20代を過ごしてきた同氏にとって、困難や苦難を乗り越えるために意識してきたのはどんなことなのか。

実は、あまりモチベーションを意識したことはないんです。私は世の中の常識に疑問を持って、新たな事業を創ることが好きなので、苦労よりも努力を積み重ねてきたと思っています。世の中に付加価値を生み出すサービスを提供できれば、多くの人に幸せを感じてもらうきっかけになる。

 それこそ、私が夢中で仕事に没頭できる原動力になっています。頑張るとか、苦難に耐えるとかよく言いますが、自分が本当にやりたいことや好きなことであれば、歯を食いしばる必要もないんですね。ネガティブに捉えてしまうのではなく、ポジティブに考えられるものを見つけられるかが肝になってくるでしょう」

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