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コカ・コーラが「檸檬堂」の次に狙う、Z世代向け低アルコール飲料の正体

ビジネス

 高齢化が進んだ日本と異なり、アメリカではZ世代(1995~2010年生まれの人たち)と呼ばれる若年層が総消費の40%を占めると言われている。各企業は購買力のあるZ世代をターゲットにした商品やサービスの開発に余念がない。

ノメルズ

 アルコール市場で言えば、健康に対する意識が高いZ世代が支持するのは、ハードリカーやビールではなく低アルコール飲料だ。日本では耳慣れない「ハードレモネード」や「ハードセルツァー」といった低アルコール飲料がZ世代をターゲットに売上を伸ばしている。

コカ・コーラ社がハードレモネード市場に参入

 この流れはどうやら日本にも波及してきたようだ。

 6月21日、コカ・コーラシステムから「ノメルズ ハードレモネード」が発売された。フレーバーはオリジナル、サワー!サワー!サワー!、ビターサワーの3種類。アルコール度数はオリジナルとサワー!サワー!サワー!が5%で、ビターサワーが7%となっている。

 大量のレモンをまるごとミキサーにかけて作るブレンダー製法で作った果汁と果肉たっぷりのレモネードに、ジンに使われるスパイスのジュニバーベリーエキスと、レモネードに合うオリジナルのアルコール成分を加えて完成したのが「ノメルズ ハードレモネード」だ。

 日本コカ・コーラ株式会社マーケティング本部アルコールカテゴリーのブランドマネジャー、東條渚氏に「ノメルズ ハードレモネード」発売の裏側を聞いた。

そもそもハードセルツァーとの違いは?

日本コカ・コーラ

日本コカ・コーラ株式会社東條渚氏

 冒頭で触れた「ハードレモネード」や「ハードセルツァー」といった言葉が初耳だという人に同氏が簡単に説明してくれた。

「“ハードレモネード”は、昔から馴染みのあるソフトドリンクのレモネードがベースで、甘酸っぱい味わいが特徴のアルコール飲料です。“ハードセルツァー”は、スパークリングウォーターがベースでスッキリ飲みやすく、既存の低アルコール飲料に比べ、糖類・カロリーが低めのアルコール飲料です。

 共通点としては、いずれも若い方にも楽しんでいただける飲みやすさを追求した、まだ日本では馴染みのない新しいタイプのアルコール飲料という点です」

「ノメルズ ハードレモネード」を発売した背景には、「低アルコール市場の成長加速(5000億円程度の市場規模)、低アルコール市場の40%がレモン系飲料、低アルコール飲料の購入者は20代中心の若い世代が増加、20~30代ではレモン系が一番売れる」(東條氏、以下同)というデータがあったという。

 それをもとに「海外でのハードレモネード人気、日本国内のレモネードに対する注目度、低アルコール市場でのレモンフレーバートレンドを受けて“ノメルズ ハードレモネード”を立ち上げた」と語る。

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