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アシックスの売上はシューズが8割。大手スポーツメーカーの“意外な強み”

ビジネス

 2020年東京オリンピック競技大会は、日本が27個の金メダルを獲得しています。これは1964年の東京、2004年のアテネの16個を上回る史上最多の獲得数。

オリンピック

(代表撮影:雑誌協会)

 日本が得意としてきた柔道だけでなく、卓球やフェンシング、スケートボードなど、幅広い競技で金メダルを獲得しています。新型コロナウイルス感染拡大による暗いニュースばかりだったなか、選手の笑顔が希望の光をさしているように見えます。

 さて、選手のユニフォームや用具等でロゴをよく見かけるのがアシックスやミズノ。スポーツ用品メーカーは、選手の活躍を裏で支え、競技に欠かせない存在です。この記事では、国内のメジャーなスポーツメーカーがどのような戦略をとり、成長しているのかを解説する内容です。

アシックスの売上高はミズノの2倍以上

アシックス ミズノ

※決算短信より筆者作成(アシックスは12月、ミズノは3月決算)

 国内のスポーツメーカーで最も稼いでいるのは株式会社アシックスです。スポーツブランドといえば、ミズノ株式会社がパッと頭に浮かぶ人も多いかもしれません。しかし、アシックスはミズノの2倍以上の売上高があります。

アシックス ミズノ

※筆者作成

 両社ともにコロナ禍で業績は落ち込みました。アシックスは2020年12月期の売上高が前期比13.0%減の3287億8400万円となり、39億5300万円の営業赤字(前年同期は106億3400万円の営業利益)を計上しました。

国内売上高だとミズノのほうが上回る

 ミズノは2021年3月期の売上高が前期比11.4%減の1504億1900万円、営業利益が同39.2%減の38億600万円となっています。スポーツイベントの中止や延期となり、自粛ムードでスポーツ用品も伸びませんでした。

 さて、国内ではどちらも知名度がある会社ですが、なぜ売上高にこれほどの差が生じているのでしょうか。答えは海外事業の規模の大きさです。アシックスは2020年12月期の国内事業の売上高は943億9800万円。ミズノの2021年3月期の国内事業の売上高は1063億1200万円です。実は日本国内だけで見ると、ミズノのほうが上回っています。

アシックス ミズノ

※筆者作成

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