小柳ルミ子、不確かな未来より確かな今「人生はベストを尽くす積み重ね」
69歳、「まだまだ成長したい」
――その後、ボイストレーニングもまた始めて。
小柳:私、やると決めたら負けず嫌いなんです。私の“負けず嫌い”ってね、人と比較して負けないということじゃなくて、自分に負けたくないっていうこと。そしてやるからには、結果を出したい。ドローでいいなんて思わないんです。勝つための方法を研究して、勉強して。
常に自己分析をするのは、成長するために。私は今年69歳ですが、この歳になっても、少しでも成長したい、進化したいという欲望があります。自分に足りない部分は何かを常に見つめて、考えて、そこを強化することで成長ができる。そして成長したら、その先にはもっと楽しいことがあるんじゃないかと思えるんです。
例えば、気になるものがあると「なぜ人気があるんだろう?」「どこに魅力があるんだろう?」ってどんどん考えます。そのうえで、自分に取り入れられるものは取り入れていく。そうすることによって、自分が少しずつ進化するんですよね。楽しめるものも増えてくる。逆にいえば、進化しないと、楽しめる世界も広がらない。趣味でも同じです。サッカーがまさにそうですが、好きになった以上はもっと深く知りたいと思う。そして、知れば知るほど楽しめるんです。好奇心旺盛なんですよね。
成長に大切なのは「素直さ」
――自分を成長させるうえで大事にしていることは、何ですか。
小柳:素直に謙虚に、人に優しく、ですね。素直じゃないと絶対人間成長しないから。素直でいるから人から何か注意してもらえるわけで、「あいつに言ってもどうせ聞かないから」って思われたら、みんな何も言ってくれなくなるでしょう?
相手が私に良くなってほしいと思わなかったら、言わなくてもいいんだもの。他人に何かを注意してあげるとか、言ってあげるっていうのは、それなりに労力を使うから、言ってもらえるっていうのは、すごくありがたいことなの。だから人の話を聞く素直さ、謙虚さは、いつまでも持っていたいなと思います。