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渡辺大知が明かす、転機になった“バンドメンバーの言葉”「お前は役者をやったほうがいい」

暮らし

“自分を抜いていく作業”が必要だった

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――そして2015年のNHK連続テレビ小説『まれ』でもミュージシャン役を好演されました。

渡辺:『まれ』の経験をきっかけに、役者の活動が自分にとって必要だって思ったんです。音楽をやっているだけじゃなくて、求められたものにどう応えるかを考えること。そういう活動も必要だと思いました。

 音楽だと自分をどう見せたいかという考え方なんですが、一方で演技で必要な“自分を抜いていく作業”が僕には必要だった。それが役者の仕事でできると気づいたんです。

――なるほど、キャリアということよりも、自分の表現や生き方の問題に近い話なんですね。

渡辺:バランスが取れると思ったんです。音楽と映画、その両方が、自分の表現の手法にできるのではないかと考えるようになりました。その後『くちびるに歌を』という映画で自閉症の役をやらせていただき、自分もすごく好きな作品なんですが、映画を観たバンドメンバーの言葉が転機になったんです。

転機になったバンドメンバーの言葉

――どういう言葉でしたか?

渡辺:「正直、それまで渡辺がなぜ役者をやりたがっているかわかっていなかったけど、この映画を観てお前は役者をやったほうがいいと思った」と言ってくれたんです。役柄が僕じゃない別な人間に見える一方、僕自身にも見えると。その感じがすごくよかったんです。「役者をやりたいと思うならやったほうがいい」と、わざわざ言いに来てくれて。

――雑音は気にしないほうがいい一方で、周囲の一言は大きいですよね。

渡辺:そのときまではみんなにどう説明しようかとか、メンバーのことを気にしていたんですが、その応援の言葉がきっかけで、今は好きなことを仕事にするときに、人のことを気にすることを1回やめようとしています。どれだけ自分がわくわくするか、そういう気持ちを自分の糧にどんどんしていって、どう新しい仕事につなげていくかを考えるようになったんです。

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