コロナでも黒字化のココイチ。デリバリー需要、独自戦略の強み
たび重なる緊急事態宣言の発令と解除は飲食店を翻弄し、そのたびに営業時間の変更を余儀なくされています。夜間の外食を控えるように習慣づいてしまった結果、安定的な集客が見込めない状態です。
そんななか、順調に見えるのがカレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)を運営する株式会社壱番屋。今季(2022/2期)はコロナ以前には劣るものの、すでに前年を上回る勢いです。ウィズコロナに対応した壱番屋の戦略を見ていきましょう。
苦境の中で結果を残す飲食チェーン
飲食各社の業績を見ると大手では好調なチェーン店もあるようです。参考になるのがマクドナルドです。コロナ禍ではドライブスルーによるテイクアウトや、出前館・UberEatsに対応したデリバリー需要の増加によって売り上げを伸ばし、2021/12期の成績は売上高・最終益ともに過去最高を記録しました。
メニューがもともとデリバリーと相性が良いほか、店内で飲食する消費者よりも客単価が伸びやすい傾向もコロナ禍での好調を後押ししたようです。
ほかにも郊外型店舗、席ごとに分離されている店内という特徴が感染リスクの少ないというイメージにつながっているためか、寿司チェーンも好調となっています。
業績を見ると壱番屋も“ウィズコロナ戦略”に成功しているようです。最新の2022/2期、第1四半期(3~5月)の業績はコロナ禍が始まった前年をすでに超え、消費者の新たな動きに対応できていることがわかります。
決算書に見るコロナ前までの業績
ご存知の通り、壱番屋はココイチを中心とした飲食事業を手がける企業。公式サイトによると2021/2期末時点で国内1285店舗、中国・台湾・タイを中心とした海外187店舗の計1472店舗を展開。
ちなみにココイチに関しては、直営は国内の137店舗のみで、あとの1303店舗は海外を含めFC店となっています。
壱番屋はコロナ禍以前まで業績を拡大していました。決算書類によると2018/2期から2021/2期までの業績は2018年:495億円⇒1019年:502億円(1.4%増)⇒2020年:515億円(2.6%増)⇒2021年:442億円(14.1%減)となっており、2021/2期に急減した形です。
2019/2期までは店舗数、全店売上高ともに増加し続けました。FC契約の内容は公表されていませんが、規模拡大に伴って契約料収入が増加したと思われます。ただし客数が減っている月もあることから、2019年3月に実施した値上げが響いているかもしれません。