大坂なおみ、うつ症状を告白。自らの病を告白するZ世代に医師の見解は
極度のストレスで引き起こされる
そもそも、うつ病はどういう状況で引き起こされ、どのような症状があるのだろうか?
「うつ病は、極度のストレスが一定期間かかる状況で引き起こされます。症状としては、抑うつ症状と共に、睡眠障害、食欲不振(体重減少)などが現れます。気力の低下が著しいと、本業はおろか、趣味でさえも手につかなくなります。倦怠感が顕著になると、身の回りの些細なことでさえ、自由にこなせません。億劫感が強くなると、親しい人との交流も避け、1人で過ごしがちとなります」
最後にうつ病の対策について回答してもらった。
「自己理解を深めること。そのために、自身の弱さの限界を知り、弱さを素直に披瀝(ひれき)できる環境を用意しておくことは重要です。特に、真面目で几帳面な方、自分1人で抱え込みやすい方は、周囲に頼ることを良しとせず、迷惑を掛けまいと人一倍頑張りがちですので、『もっと人に頼ろう』と、意識的に甘えることも重要です。」
<取材・文/シルバー井荻>
【尾林誉史】
精神科医、産業医。VISION PARTNERメンタルクリニック四谷院長。東京大学理学部化学科卒業後、リクルートを経て、現職。現在は15社の企業にて産業医およびカウンセリング業務を務めるほか、メディアでも精力的に発信を行っている。著書に『先生!毎日けっこうしんどいです。元サラリーマン精神科医がみんなのモヤモヤに答えてみた』(かんき出版)がある
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