ディズニー時短で巨額赤字。オリエンタルランド、早期退職募集もやむなしのコロナ被害
ここまで業績が悪化すると危険な状態
そして、コロナ禍と重なる2021年3月期は壊滅的な業績となりました。決算短信を見ると売上高1706億円(-63.3%)、営業利益-460億円、最終利益-542億円と公表されています。売上高は前年度の3分の1、最終利益の赤字は1996年の上場以来初といった具合です。
テーマパークの臨時休園に加え、再開後も入場者数を絞るなどゲストの減少がそのまま業績に影響しました。近年は1年間365日の営業で3000万人前後の入園者数を記録していましたが、2020年は274日営業の756万人にとどまりました。ホテル事業の収入も前年の643億円から286億円まで激減しています。
キャッシュリッチで健全と言われていたオリエンタルランドも、ここまで業績が悪化すると危険な状態です。2019年期末時点で3776億円もあった現預金は翌2020年期末には2616億円まで減少し、2021年3期末時点で1973億円まで落ち込みました。
まだまだ充分な現預金額ですが、このペースで資金を失うようであれば、楽観視していられません。このような状況下で少しでもキャッシュアウトを防ぐべく、正規雇用の処分が行われたといえます。
意外にも堅調な株価
2017年1月時点で6000円台だった株価は35周年に向けて上昇し、2019年12月には1万4000円台を推移していました。コロナで臨時休園を始めた2020年2月末は1万2000円台まで急落しましたが、その後は意外にも堅調な動きをとっています。
年末年始に1万7000円台まで回復し、2021年6月時点でも1万6000円台を維持している状態です。確かに業績は壊滅的ですが、ワクチンの普及もあり、コロナが終結すれば確実に業績が回復すると思われているようです。
2022年3月期ですが、同社は決算説明会で今期の方針を公表しています。コロナが終結していないため今後も入園者数の制限を実施しつつ、ゲスト減少に合わせてコスト・人件費のカットを続けるようです。ただし状況が不透明なため具体的な決算予想値は公表していません。