デビュー10年の瀧本美織、自分の世界を変えた“出会い”「とても刺激になる」
2010年に女優デビューし、同年の下半期には連続テレビ小説『てっぱん』でヒロインを務め上げた瀧本美織さん(29)。女優デビュー10年超えとなる今年は、すでに3本のテレビドラマに出演し、現在は映画『HOKUSAI』が公開中です。
柳楽優弥さんと田中泯さんが2人一役で葛飾北斎を演じる本作で、柳楽さん演じる青年期の北斎を支える妻・コトを演じた瀧本さんは、監督から「お嫁さんにしたい理想の妻のイメージで」と言われたとか。そこで、瀧本さん自身の結婚観についても聞いてみました。
8年ぶり映画出演。時代劇はとても好き
――実写映画への出演は『貞子3D2』(’13)以来になりますね。
瀧本美織(以下、瀧本):そうなんです。試写で完成作を観たとき、エンドロールに自分の名前が流れてきて、とても感慨深くて嬉しかったです。
――瀧本さんは、現代劇も素敵ですが、時代劇もとてもお似合いです。
瀧本:ありがとうございます。時代劇は私もすごく好きで、時代物のお着物や扮装ができるだけでも嬉しいですし、そうした衣装を身にまとうことで気持ちを盛り上げてもらって、その時代を生きているような気持にさせてもらいました。
――北斎にまつわる女性としては、絵師でもあった娘・お栄のイメージはありますが、妻のイメージは正直ありませんでした。今回のコトはとても素敵な女性で、北斎の目から見た理想の女性のように映りました。
瀧本:確かにきれいに描かれているところはありますね。北斎の人生は波乱万丈で、特に今作では苦しい時期が多いので、少しでもオアシスのように感じてもらえる、包み込むような優しさを持った女性をイメージしました。橋本監督も「お嫁さんにしたい理想の妻のイメージで」とおっしゃっていました。
『千と千尋の神隠し』はカオナシの物語?
――本作のなかで北斎は「絵は世界を変えられる」と言っています。瀧本さんがご自身の世界を変えてくれたと感じたエンタメとの出合いがあれば教えてください。
瀧本:『風立ちぬ』でジブリのお仕事をさせていただいてから、プロデューサーの鈴木(敏夫)さんとも仲良くさせていただいていて、たくさん書かれている本もその都度読ませていただいているのですが、鈴木さんの本はとても刺激になります。
――たとえばどういったところが?
瀧本:『千と千尋の神隠し』を、宮崎駿監督はハクと千尋のラブストーリーだとおっしゃったのですが、鈴木さんが、だれが一番多く登場しているか図ってみたら、1位がカオナシだったそうなんです。それで駿さんに「これはカオナシの映画だ」と伝えたら、駿さんも「あ、そうかもね」とおっしゃったそうで(笑)。物事にはいろんな見方、側面があるんだなと教わりました。