芸能人の不安定なお金事情。住宅ローン審査にも苦労する
ドラマ関係のフェイクニュースかと疑われた星野源さんと新垣結衣さんのご成婚ニュース。40歳男性と32歳女性の初婚同士ですから、年の差婚と言ってもいいでしょう。
芸能人(多くは自営業・個人事業主)同士の結婚は、お金の面で会社員や公務員とどのように違うのでしょう。また、年の差婚で考えるべきお金の話について、ファイナンシャルプランナーの筆者が解説します。
芸能人という人気商売と将来設計
芸能人には給料制の人と完全歩合制の人、給料プラス歩合の人がいるようです。給料制の人は、仕事がなくても収入があり、完全歩合の人は仕事がないと収入がありません。どちらの報酬体系がいいのかは人によるでしょう。給料制はローリスクローリターン、歩合制はハイリスクハイリターンです。
1本1000万円のCMを受注したとしても、給料制の人は即座に昇給とはならないでしょう。事務所にとっては今まで支払った給料のほうが多いかもしれません。お金に厳しい事務所であれば、過去の給料の累計を超えるまでは稼いだとして認めてくれないかもしれません。
一方、完全歩合制の場合は、事務所が何割か受領し、残りを芸能人に配分するとします。いままで給料を払っていませんから、会社としての持ち出しは多くありません。事務所の看板を使って仕事を受注したのであれば、事務所の信用力なども加味されての受注でしょうから、数割の手数料を差し引かれます。
給料制の場合は、収入が安定しているため将来設計がしやすい一方、給料が欲しくて芸能界にいる人は少ないでしょうから、歩合制に移行したほうが生涯賃金は増えるでしょう。ただし、歩合制の場合はいつ収入が入るかわかりませんから、将来の見通しはたちません。見通しが立たないため、売れてないとアルバイトをしながら食いつなぐ人も多いですよね。
芸能人は住宅ローンが組めない?
芸能人が家を買う場合、現金一括払いをイメージする人が多いかもしれません。一般的に芸能人のように収入が人気に左右され、突然収入が増えたり、下落するような報酬の受け取り方は、お金を貸す側からすると不安です。
銀行からすると、貸したお金が返ってこない可能性が高そうに感じるでしょう。実際は、貸したお金が返せない場合に備えて、頭金を要求したり、抵当権を設定し、住宅ローンが払えない場合に家を売却させるなどの措置があります。また、住宅ローンを借りた人が亡くなった場合にも貸したお金が取り戻せるよう、「団体信用生命保険」という無料の保険に加入させます。
このようにあれこれと資金回収の伏線を張るのですが、住宅ローンの支払いが途絶えると銀行側としては金利を生む資産が不良債権となるため避けたいのが実際のところ。そのため、芸能人のような自営業の場合は、住宅ローン審査において確定申告書を3年分確認することになります。
1年だけの人気であれば、返済の可能性がなさそうでも、3年の間人気が出て収入も入っていれば、住宅ローンを返済できる可能性も高まります。そのため、会社員や公務員であれば、1年分の源泉徴収票で足りる収入の審査が、自営業の場合は3倍の期間に増えるわけです。