サギ師が暗証番号を聞き出す驚きの“手口”とは?騙されないための秘訣も
分担制で効率アップを狙っている
一般のビジネスでも、各部門に分かれて、それぞれのスペシャリストが専門分野を担当して、会社の売り上げの効率を上げているかと思います。
たとえば私が本を出版する上でも、編集部だけではなく、本を売るために営業部の力が非常に重要になってきます。実際に書くのは私ですが、その原稿の誤字脱字などのチェックをしてくれる校正者の力もなくてはならないものです。
書店に行ったときに、書籍を手にとってもらうための本のカバーも大事ですから、デザイナーの力も必要になります。こうしたすべての力が結集されて、一冊の本になります。
それぞれが得意分野で存分に力を発揮してこそ、書籍が売れることにつながるわけです。これはあらゆる仕事においてもいえることで、各部門との連携がいかにしっかりできているかが欠かせません。実は、悪徳業者や詐欺集団も専門分野を設けることで効率アップを狙っているのです。
それぞれの分野でスペシャリストが…
これまで数々の悪徳商法の誘いに乗っている私はその様子を目の当たりにしています。電話で誘う、あるいは街頭で声をかける人物は、勧誘場所に入ると、私の前から消え、別な人物にバトンタッチします。
この人物は勧誘トークのスペシャリストで、見事なまでに契約させられる方向へと話を持っていきます。しかし、このトークのスペシャリストも駒のひとつに過ぎません。
その背後には、すべてを統括する責任者がおり、逐一、話す内容を指示しています。指示を受けた人物が、それぞれの役割を全うすることで、悪どい商売を成功させてくるというわけです。
詐欺も同様で、統括役は高確率で詐欺が成功できるような流れを作っています。かけ子には電話のシナリオを伝え、ひたすらそれだけを行わせ詐欺電話のスペシャリストに。
一方、受け子のスマホなどにカードのだまし取り方を教えます。同じく手順通り繰り返しさせることで、ターゲットを次のステップへ進ませ、なるべくスムーズにゴールへと至らせる仕組みになってるのです。