「ザ・プラン9」リーダー元相方が語る、個性的な同期に囲まれた青春時代
打ち上げは夜9時で帰っていた
――あえて、苦手な分野に飛び込まなかったのですね。ただ、トークやゲームに積極的に取り組まないとなれば、芸人仲間の方々との交流は減ってしまうんじゃないですか? チームプレーの笑いに参加しないというか。
後藤:それは、ありましたね。ぼくらだけ“まわりとちょっと違う”っていう感じに見せようとしていたワケですからね。何より、2人ともお酒が飲めないんですよ。
――じゃあ、そもそもお付き合いができないですね?
後藤:そうなんですよ。だから、イベントが終わって打ち上げに行っても、だいたい夜の9時ぐらいには帰るんですよ(笑)。ほかの芸人は、朝方まで飲んでるのに。しかも、2人とも実家通いだったんで、大阪市内の劇場まで遠くて遠くて……。だいたい若手の芸人は出番が無くても劇場に来るのに、ぼくらは「そんな時間があるんやったら、ネタの稽古しようか」って。
――芸人さんの世界でも孤高のそうしたスタイルが通用するんですね。
後藤:それは本当に感謝してますよ。無理矢理、付き合えっていう先輩もいなかったですし、怒られたこともないし。あと10年ぐらい早くこの世界に入っていたら、芸人を続けられなかったでしょうね。
下戸なのにビールのCMに出演
――その分、「ネタで勝負しよう」という気持ちが強くなって、どんどん成果を挙げ始めるんですよね。観客が審査員を務めるネタ番組『爆笑BOOING』(関西テレビ)で5週勝ち抜きを3回。さらに、観客が順位を決めるネタ番組『すんげー!Best10』(ABC)でも、常連コンビとして出演されていました。その時のお気持ちはどうでした?
後藤:最初は、「おっ、おれらもできるやん」っていう(笑)。だけど、あとから考えたら千原兄弟さんが中心になって盛り上がった2丁目劇場ブームというのもあって、その勢いの中でちょっとだけ世に出れたっていう感じですよね。
――ゲームコーナーが苦手と言いながら、清水圭さんと和泉修さんが司会をしていた『笑いの剣』(ABC)という番組にも出演されていましたよね?
後藤:振り返ると、辛い思い出がないっていうことは、それほどゲームは苦手じゃなかったんかな(笑)。いちばん覚えているのはビールのCM制作対決っていうのがあって、それでぼくの作品が優勝して、期間限定で本当のCMで使ってくれたんですよ。
――すごいじゃないですか! ちなみに、どんな内容だったのですか?
後藤:ビールにツッコミを入れていくっていう(笑)。
――後藤さんの真骨頂ですよね(笑)。
後藤:ただ当時はね、お酒が飲めなかったんで、司会の圭・修さんに「そんなんあかんで」ってめっちゃ怒られた思い出がありますわ(笑)。