ただのスポンジが7億個のヒット!「台所の革命児」を生んだ2つの秘密
最近では、あらゆる商品が、安価に手に入る時代になりました。便利な世の中になりましたが、やはり、きちんと作られているものに比べると、品質の違いは如実に表れてしまうものです。
株式会社キクロンのキッチンスポンジ「キクロンA」もそのひとつ。名前を知らない人も多いかもしれませんが、きっと一度は使ったことあるはず。
7月22日放送の『がっちりマンデー!!』(TBS)では、スポンジ作りの工場が取材され、その人気ブランドのヒミツが紹介されました。
台所の必需品!スポンジたわしの開発秘話
今でこそ当たり前となった、裏表で素材の違う「貼り合わせスポンジたわし」。スポンジ面で「洗い」、手強い汚れはザラザラ面で「磨く」、台所に欠かせない存在です。実はこれ、和歌山県のある企業によって、開発された商品なのです。
その企業とは、キクロン株式会社。世界で初めて、柔らかいスポンジと、硬さのある不織布たわしを貼り合わせ、「キクロンA」を開発した会社です。
1960年代、液体洗剤の登場で泡立ちの良いキッチンスポンジが普及していたなか、手強い焦げや汚れも落とせるとして、「キクロンA」は主婦を中心に大ヒット。
1976年には、キッチン用品として異例の販売数1億個を達成しました。
きっかけは「品質」と「キクロンおばさん」?
「菊たわし製造所(現・キクロン株式会社)」は、1948年、和歌山県で児玉勲氏によって創業されました。
同社公式サイトの「キクロンAストーリー」では、以下のような誕生秘話を紹介しています。
もともとは地場産業として「しゅろたわし」の生産を行なっていた同社ですが、オリジナル商品として「キクロン」の製造を開始し、数回の店名変更を経て「キクロン株式会社」を設立しました。
しかし、「キクロン」は「しゅろたわし」の約3倍という高価格商品であったため、売れ行きは難航。
児玉氏は、得意先のキッチンで実演して見せたり、電車内でサンプルを配って「とにかく使って下さい! 文句なしに良いのです」と声をかけたりするなど、積極的にその品質の高さをアピールしました。