中古スマホは本当に安心なのか?伊藤忠30代社員が設立「売買サイト」への思い
高くても安くても、納得して使うことが大切
そして端末を選ぶにあたっては、価格の高低にかかわらず「本人が納得したものを買う」ことが重要だと井上氏は話す。
「自分のスマホはちょっと高いなと、モヤモヤしている方は多いのではないでしょうか。中古スマホと格安SIMは、そのような方にとっての選択肢になると考えています。逆に、新品の高価格スマホであっても、その価格や性能に満足して支払っているという場合は、もちろんそのままで構いません。モヤモヤしたものに高額なお金を出すのではなく、各自が納得したものに対して納得した金額を払って使う状態が理想だと思います」
今後は、現在主力となっているiPhoneに加えて、Android端末やタブレットを拡充したり、初期不良の返品保証期限を長くしたりするなどして、プロダクトラインナップとそれを支えるサービスの両面を強化してきたいとのことだ。
まずは「自分ができることから」
社内ベンチャーという形で、かねてから構想していた事業を形にした井上氏。これから起業や独立を考えている人へのアドバイスを聞いた。
「起業などの目標があり、そのためにスキルを身につけたい、学びたいと思っているなら、小さいことで構わないので何かやってみる、飛び込んでみることが大切だと思います。私の母が大阪小さなパン屋を開いているのですが、週末を利用してそのウェブサイト作ったり、アクセス解析を見たりすることを通して、ウェブの仕組みを学ぶことができました。身近な場所でもそういった小さなことを勉強できる機会は結構あると思うので、できることから始めることをおすすめします」
また「人生は自分のコンプレックスと向き合う旅」とも話す。そのコンプレックスも、一歩踏み出すためには大切だという。
「実は私は、いつかは起業したいと思いながら、経営者の人たちに対して自分がサラリーマンであることにコンプレックスを感じていました。会社の立ち上げを通じてそこから一歩踏み出したことで、たくさんのものを得られたと感じています。コンプレックスがあるのは、“そうなりたい”という思いを持っているからこそなので、そのコンプレックスを大切に、小さな一歩を踏み出すことが次につながると思っています」
<取材・文/酒井麻里子>
【井上大輔】
伊藤忠商事入社後、情報通信業界における事業会社の経営管理およびM&Aを担当。携帯サービス事業会社のM&A、アジアでの携帯ファイナンス事業立ち上げなどを経て、ニューヨーク駐在中、携帯事業者との協業推進時にBelongを構想し、2019年にBelong設立、2020年に同社代表取締役就任。