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中古スマホは本当に安心なのか?伊藤忠30代社員が設立「売買サイト」への思い

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 通信各社から新プランが登場し、スマホの通信料については選択肢が大きく広がった。しかし、通信料が下がったからこそ、端末価格の高さが気になっている人も多いのではないだろうか。

iPhone12 スマホ

画像はイメージです

 スマホを購入するときの選択肢のひとつとして、近年、中古市場が成長をみせている。伊藤忠商事の社内ベンチャーとして中古スマホの販売を手がける株式会社Belong代表の井上大輔氏に、中古スマホ市場の現状やスマホをお得に購入するための考え方を聞いた。

「分離プラン」の義務化で状況が変化

 井上氏は新卒で伊藤忠商事に入社し、2019年2月に同社の100%グループ会社としてBelongを設立。iPhoneを中心とした高価格帯の中古スマホをオンラインで販売する「にこスマ」の運営を手がけている。

 スマホの通信プランと端末の関係は、「ガソリンと車」のようなものだと井上氏は話す。

通信プランがガソリン、端末が車だとすると、日本では長年、ガソリンと車がセット販売されている状況でした。最近はガソリンにあたる通信プランについては低価格なものが増えた一方で、車である端末については依然として高価なものが多く、市場の変化がなかなか生まれない状況があります」

 通信料金と端末本体の価格を分ける「分離プラン」が義務化されたのは2019年。それ以前は、プランとセットで購入することで端末が大幅に値引きされるケースが多く、ほぼ無料で端末を入手できる「1円スマホ」も珍しくなかった。通信料金と端末の本体価格が別に表示されるようになったことで、「実はスマホは高い」ということが可視化されるようになったかたちだ。

iPhone 11と12の違いを説明できる?

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株式会社Belong代表の井上大輔氏

 そして、これ以外にも中古スマホ市場を後押ししている要因があると井上氏はいう。

「もうひとつの理由は、端末の進化速度が鈍化してきたことです。一昔前のスマホ、たとえばiPhone 3GSから4になった頃は端末性能の進化が速く、1世代違えばまったく別物というくらい圧倒的な差がありました。一方で、最近の機種であるiPhone 11と12の違いをきちんと説明できる方はあまりいないと思います。数世代前の機種でも性能面に大きな差がないのならそれで構わないと考える方が、中古購入という選択肢を視野に入れるようになっているのだと思います」

 さらに、セカンドストリートやメルカリをはじめとした中古販売サービスが広く認知され、中古品を使うことに対する心理的なハードルが下がってきたこと、それに加えてSDGsなどへの注目が高まり、環境への配慮という面で中古を支持する人が増えたことも影響しているという。

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