コロナ禍でも大繁盛「投資家バー」を体験。カクテル「リーマンショック」のお味は
怪しいお客さんはいない?疑問をぶつけてみた
投資のプロだけど、飲食店経営の経験はなかった上原さんですが、なんとTwitterで、飲食店経営のプロである、現在の共同経営者とも出会います。また、Twitterでの賛同者が、クラウドファンディングの支援者となり、オープン時にはすでにコミュニティができつつあったそう。なんと令和な店の作り方や……。
「投資のコミュニティ」と聞くと、ついつい怪しそうとか、危険なのではといったイメージを抱いてしまうので、そのあたりの疑問もぶつけてみました。
「その懸念は私もあったので、ウェブサイトやメニュー表で営業行為は禁止だと明記するなど策を打っています。そして、私もしょっちゅう店を訪れて直接確認するようにしています。手前味噌ながら、当店の客層はとってもいいと思っているんです。純粋に投資好きな人ばかりなので」
一度だけ、儲け話を持ちかける人が現れたこともあったらしいのですが、コミュニティが健全すぎたのでしょうか。自然と居なくなったそうです。株式投資型クラウドファンデングを行うイークラウドや、投資SNSを運営するクリプタクトなど、法人スポンサーが支持していることからも投資家バーのクリーンさが感じられました。
とはいえ、この場で得られた話を鵜呑みにせず、自己判断で投資先を決めることは超大事。大事というか、教科書1ページ目に載ってるくらい当たり前過ぎて、テストにも出ないやつです。お忘れなく。でも安心できる相談相手がいるっていいですよね。
ありえない交流がたくさん生まれている
実際に投資家バーに行ってみて、最も印象的だったのは、「投資を楽しんでいる人にめちゃくちゃ会えた」ということです。
これまでの投資へのイメージや、投資を始めたがっていた知人の願望は「お金を増やす」というモノでした。片やここにいる人たちは、完全に投資が趣味勢。スポーツバーでサッカーについて語るかのごとく、投資について語り、楽しんでいます。これは結構衝撃でした。
好きこそものの上手なれとも言いますし、投資で成果を上げるには、投資を目一杯楽しむことが近道なのかも知れません。
「個人投資家同士の繋がりって持つのが難しいし、ましてや専業トレーダーと初心者投資家が話す機会なんてまずありませんでした。この店では、ありえない交流がたくさん生まれています。1人で来店する人も、男女年齢問わず多いですよ。この店がきっかけになり、投資を楽しむひとがもっと増えて欲しいですね」(上原氏)
楽しみながら、お金も増やすことができたら、最強に違いありません。もちろん、投資家バーで猛者たちに話を聞いたとて、いきなり勝てるほど甘くない世界。ですが、ここに来たら投資好きに一歩近づくことでしょう。とっても入りづらいドアの向こう側には、投資初心者にも温かい空間が広がっていました、なかなか投資の一歩目が踏み出せない人は、訪れてみてもいいかもしれません。
<取材・文・撮影/井澤 梓>