コロナ禍でも大繁盛「投資家バー」を体験。カクテル「リーマンショック」のお味は
お客さんは投資の猛者ばかり?
ひと通りバーを楽しんだところで、どんな投資家たちが訪れているのか、周りのお客さんに話しかけてみることに。和やかな雰囲気が漂い、お店の方もアシストしてくださるので気軽にお話をうかがうことができました。
「僕はね、損切りしたときの憂さ晴らしに来てるね」と自嘲ぎみに語るのは専業投資家のM氏。
インターネット黎明期から株式投資をしていたベテラン投資家です。株価分析ツールを自作し、日々指標にしているらしく、分析ツールを印刷した紙を片手に、誰もが知るメジャー企業の株価の見極め方を教えてくれました。
「数字ではわからない、市場の過熱具合を見て売りどきを探っている」と話すのは同席していた、同じくベテラン投資家のA氏。M氏とはこのバーで顔見知りになったそう。
「先日は初心者さんに尋ねられたから、いろいろ教えたよ。教え合う光景は、ここでしょっちゅう見るね」とのこと。相場を長年生き抜いた猛者たちの知見が、飲みながら知れるなんて得した気分です。
カウンターにいたS氏は「会社の同僚とは投資の話はしづらいし、投資の話ができる場所がなかった。この店があって本当に良かったなと思っているんです」と熱い話を聞かせてくれました。確かにお金儲けの話って、身近な人には意外とできないかも知れません。
縁起の悪い名前のカクテルで終わると負けそうだからと、最後の一杯は「青天井」など、アゲ用語のカクテルで締めているそうです。たしかにね。ついつい一杯多めに飲んじゃうかもね。
時短営業&ノンアル提供でもお店は満席
株式投資がメインという人が一番多かったですが、不動産や仮想通貨など様々なジャンルの投資家が来店するそう。投資経験者でも、自分の知らないジャンルの話を聞くのは勉強になりそうですね。
カクテルを作る店長も、投資が大好きで知識豊富。カウンター横には、チャートが表示されたモニターもあります。いきなり隣のお客さんに話しかけづらいという人は、まずは店長と投資トークをしてみてもいいかも知れません。
この日は、緊急事態宣言中の時短営業で、ノンアルコールカクテルのみの提供だったにもかかわらず、店は満席。コロナ対策で十分なスペースを取られた空間ながらも、お客さん同士の熱気が感じ取れました。
STOCK PICKERSのオーナーであり、運用会社の現役ファンドマネージャーでもある上原さん(@uehara_sato4)にもお話を聞くことができました。
「投資家のコミュニティを作れたらと思い投資家バーを開きました。自分が欲しかった空間を作ったという感じです。こんな場が欲しかったと言っていただけることも多く、とても嬉しく思っています」
Twitterで5万人のフォロワー(2021年6月時点)を抱える上原さん。「投資家が集まる場所が欲しい」というツイートをしたところ、多くの賛同者が現れ、投資家バーを開くきっかけになりました。