年収200万円でも「地方移住」を勧める理由。経験者が語る、住みやすい自治体
「地方移住」という言葉に、どのようなイメージをもっているでしょうか。都会の生活に嫌気がさしていれば、「暮らしやすそうであこがれる」「生活コストが安くすみそう」と考える人も多いかもしれません。
一方、「人間関係が大変そう」「やっぱり都会は刺激があり楽しい」という人もいるでしょう。はたして都市と地方では、どちらが幸せに暮らせるのでしょうか。
大都市に人口が集中する日本
振り返れば、2000年の東京の人口は約1200万人でした。それが2021年時点で約1400万人。この20年で約200万人も増えています。これは札幌市とほぼ同等の人口です。東京は日本全体の0.58%の面積に、人口の10%以上が住んでいることになります。
さらに、これを東京圏に広げると約29%、東京圏・大阪圏・名古屋圏を含めると2人に1人が大都市圏に住んでいることになります。日本は、世界で最も都市集中が激しい国のひとつといえます。
ゆえに、大都市には政治・経済・教育などさまざまな機能が集中しています。大学進学とともに大都市に移り住み、そのまま就職というケースも多いでしょう。人が多く、刺激にあふれ、地方にはない魅力があるのは間違いありません。
一方でこんな調査もあります。内閣官房「移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業報告書」によれば、東京圏在住者に住む20~50代の5割は「地方暮らしに関心がある」と回答しています。
「地方暮らし」の1番のネックは仕事か
昨今では、コロナ禍によるリモート化の流れも大きく影響しているでしょう。リモートワークが可能であれば、地価の高い東京よりも、「安く・広い家を借りられる地方」に興味が出るのもなんら不思議はありません。
ただ、地方が絶対的なユートピアではないことは誰しもが知っていること。都市にあるような大きな商業施設や魅力的な娯楽施設も多くありません。基本的に車を所有することが前提となり、地方の人間関係も気になるところです。
なかでも「仕事をどうするか」というのは、地方移住を検討する際の最大の関心事です。地方暮らしへの興味の高さを示す統計がある一方で、実際には都市部の人口が増え続けているのは、仕事がネックとなるからではないでしょうか。
人が少なければ当然仕事の総数が減り、給与水準も都市と比べれば下がります。どうやって飯を食っていくのか、というのは地方移住をする際の死活問題といえます。