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なぜ働く30代は「生きづらさ」を感じるのか?心理カウンセラーに聞く、対処法

暮らし

他の誰のものでもない人生を生きる

きい

――「bizSPA!フレッシュ」の読者は若手ビジネスパーソンなのですが、20代後半~30代になると、生活や仕事など自身を取り巻く環境が大きく変化するタイミングがあると思います。きいさんはどう感じていますか?

きい:30代になると特にいろいろなしがらみが多くなり、自分を装って生きてしまうというか。何が生き方として正解か、外から探しがちになってしまう人が増えてしまうと感じています。

 でも、そこで世間に対して好かれる自分や誰かにとって望ましい自分を演じていくと、自分の中心から自分の人生がずれていってしまい、自分ではない自分を生きていくことになってしまう。そうすると必ずどこかで「詰み」ます。

――「自分の人生がずれていってしまう」というのは怖いですね。そうならないためにはどのようなことに気を付けていけばいいのでしょうか。

きい:自分自身に矢印を向けていくことを徐々にやっていくことが重要です。繊細な人は「相手からどう思われるか」とか「印象を下げないか」とか、「この服でいいかな」「ここでこの水を飲むのは違うんじゃないかな」など、気持ちの矢印が自分以外に向かいすぎてしまっている。

 だから、矢印を自分に向けるには「自分はこれが心地いいかどうか」「これは楽しいか」「これをいま飲みたいのか」など、自分ベースで考えることが大切なんです。

生きづらさを抱えるすべての人へ

メンタル 仕事

――矢印を自分に向けていく具体的な方法はありますか?

きい:「自分がどうしたいか」がなかなか出てこない人もいると思いますが、「これがいいの?」「今日はどっちの服を着たい?」など、意図的に自分自身に問いかけるようにしていくことです。その積み重ねが、自分の人生を生きていくことからずれていってしまうのを防いでいけると思っています。

――生きづらさを抱えている人へ、きいさんが伝えていきたいことはどんなことなのでしょうか。

きい:心理カウンセラーとして相談を受けるなかで、相手の価値観や相手の感情を優先するがあまり、「自分が間違っているのだ」と思ったり、相手に気をつかいすぎて「自分は我慢すればいい」と思ってしまう人がとても多いことに気づきました。

 そのように他人軸で不安になってしまう方には、お話をよくうかがった上で「相手のことを守りたかったのですね」とお伝えするようにしています。自分よりも誰かのことを大切にする気持ちがあったから、自分を犠牲にすることを覚えてしまったのですね、と。

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