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「お前が言ったのか?」通報者が“脅迫”されるパワハラ防止法は欠陥だらけだ

ビジネス

ホットラインには多数問い合わせが

――「就活ハラスメント無料相談ホットライン」にはどれくらいの相談があるんですか?

村嵜:2020年は、就活セクハラ・オワハラの相談が142件ありました。

――142件も……!!

村嵜:「就活ハラスメント無料相談ホットライン」の立ち上げから約2年、就活ハラスメントの相談件数は一向に減りません。2021年4月30日に厚生労働省が発表した調査では、就職活動やインターンシップ(就業体験)をした学生の4人に1人が就活セクハラの被害にあっているという結果もありました。

――だからこそ、就活ハラスメント相談窓口設置の義務化を国に求めているのですね。

村嵜:はい。就活ハラスメント相談窓口の設置が企業に義務化されれば、ハラスメントへの抑止力につながるんじゃないかと思います。

 また、就活ハラスメント相談窓口義務化の認知が高まれば、被害者は声を上げやすくなり、加害者は生まれにくくなる。企業では窓口担当者や採用担当者向けの就活ハラスメント研修も必要になってくると思います。

セカンドハラスメントから被害者を守れる

ハラスメント

――セカンドハラスメントについてはいかがですか?

村嵜:パワハラ防止法の施行では、企業側がハラスメントの相談に対応しない場合、是正指導の対象となります。しかしそれだけでは、被害者を守れません。むしろハラスメントの相談をしたことによって、新たなハラスメントが生まれてしまう。それがセカンドハラスメントです。

 現行のパワハラ防止法では、セカンドハラスメントを生み出してしまう可能性もあります。

――ハラスメントの相談が、新たなハラスメントのきっかけに。

村嵜:そうなんです。ハラスメントの被害者がハラスメント相談窓口に相談しても、守秘義務が守られずに、職場で噂になってしまうことがあるんです。そうすると被害者が、ハラスメントの行為者から「お前が言ったのか?」と詰め寄られてしまう。これは実際に日本ハラスメント協会に寄せられたセカンドハラスメントの相談事例です。

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