誘拐犯の息子にインタビューしたら、展開が斜め上すぎた/聞かせて、YouTube事件簿
意外なタイミングの意外な死因
──そもそもなんで親父さんは誘拐をしたんだろう?
小沢「親父は昔からお金のない中国人留学生とかを家に招いて飯を食わせてたの。決して裕福じゃなかったから、お母さんはそこも腹立ってたみたいなんだけどね。それでその関係で知り合った中国人にそそのかされて、誘拐事件に関わっちゃったみたいな」
──じゃあ単独犯じゃないんだ?
小沢「俺の親父は車の免許を持ってたから、車で待機して誘拐相手を運ぶ役をやってたみたい。ただ別にかばうわけじゃないんだけど、自分がやってることが誘拐だってわからないまま手伝わされた可能性もあるんだよね。いや、ホントそこはわかんないんだけど…」
──それで金持ちの子供かなんかを誘拐して、身代金を要求した?
小沢「いや、親父が車で待機してるところに警察が踏み込んできたから、結局は未遂に終わったみたい。だから当時も新聞とかニュースに載ったりはしてなかったね。ただ、その警察にビックリした親父は血管が切れてそのまま死んじゃったんだけど」
意外すぎるタイミングの意外すぎる死因。てっきりタチの悪い中国人グループの事件に巻き込まれて死んでしまったのかと思っていた。しかし、小沢君は「慣れてないことしたからかな?」とまたしても他人事だ。それには理由があった。
「よくわかんないまま20年経ってる」
──小沢君は親父さんが死んだって聞いてどんな感情になったの? 悲しみ? それとも怒り?
小沢「う~ん、中学で離婚してそのまま死んだから実感が湧いてないんだよね。葬式も中国でやったから遺体も見てないし。しかもさ、じいちゃんばあちゃんからしたら親父が良い息子なわけでしょ? だから誘拐とかそんなんは関係なくお母さんを悪者扱いしてさ、俺には中国に帰ってこいとか言ってくるんだよ。もうめんどくさいとか腹立つが先に来ちゃってよくわかんないまま20年経ってる」
──なるほど。全部が遠いところで起きた出来事なのか。
小沢「そもそも本当に親父が誘拐しようとしたのかも、そういう死に方をしたのかも定かではないからね。お母さんが怒りすぎて記憶がねじ曲がってる可能性も全然あるよ。正直こうやって話してるけど、何にもわかってないよ(笑)」
──改めて母親にどういう事件だったのか聞いてみたら? 怒りも収まってるはずだしさ。
小沢「いや~、怒り以前に最近は記憶自体が怪しいからな(笑)。中国のじいちゃんばあちゃんも同じで情報が偏ってそう。だから誰も何もわかってない。事件の真相は藪の中だね」