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コロナ下でライブハウスをオープンした29歳「お客ゼロでも面白ければ」

暮らし

昇格よりも独立を選んだ

梅田Lateral

 ちょうどその時期、ロフトプラスワンウエストでは松本さんを店長に昇格させるという話が上がっていたという。松本さん自身にとっても大きなチャンスだったと思うのだが、なぜそのタイミングで独立という決断をしたのだろうか。

「ロフト自体は業界では大きな会社ですし、自分にとってもチャンスではあったのですが、仮に店長になれたとしても、会社には自分よりも歴の長い社員がたくさんいて上が詰まっている状態でした。ロフトという会社の店長であることで、自分が制限されて将来的に動きづらくなるのでは……と考えた結果、新たに自分でライブハウスをオープンするということに繋がりました

 それを思い立ったのも決断をしたのも2020年の大晦日で、年明けすぐに親しくさせてもらっている人に相談しました。その人はYouTubeなどの動画配信サービス運営会社の社長で、ロフト時代からよく相談に乗ってくれていました。独立の話をすると、協力すると言ってくださり、出資してくれることが決まりました。それからすぐに物件を探したのですが、コロナ禍で良物件が多く、1日でこの店舗を見つけることができました

配信に特化することでの優位性も

 配信をメインとするライブハウスをオープンさせるために、機材にはこだわったと話す松本さん。開業資金2000万円のうち半分以上を音響や照明につぎ込み、ライブ中のカメラは5~8台、クリアな音質が出せるミキサーまで徹底した

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