不気味な隣人に翻弄された25歳の恐怖体験「部屋の中になぜか長い髪の毛が…」
管理会社も手を焼く存在だった
武田さんは対策をうつことにします。
「管理会社に連絡して、苦情をいれることにしました。そうしたら、担当者に『ああ……またですか……』と言われて。どうやら隣人はトラブルメーカーになっているようでした。『絶対に直接苦情を言ったりしないでください』とも言われました。過去に何かあったのか聞いたんですが、それについては詳しくは教えてくれませんでした」
それから精神をすり減らす日々が始まることに。
「翌日だったか、逆に苦情を入れられたんです。『映画を観ている音がうるさい』って。あの不気味な手紙と同じ字だったので、彼女だとすぐに分かりました。でも、苦情が入った前日、私は確かに映画を観ていたんですが、特に大きな音で見てませんでした。
それに、なぜあの隣人は『映画の音』と特定できたのかが妙に気になったんです。だって、築年数こそ経っていましたが、防音設備もそれなりに整っている。例の人物とは逆隣の部屋の住人にも聞いてみましたが、やっぱり隣人の騒音は聞こえてこないとのことでした……」
覗き見されているような感覚に陥る
隣人からの不可解な苦情はそれだけでは終わりませんでした。
「音楽を聞いたあとや、風呂掃除をしたあとに苦情の手紙を投函されるようになりました。さらには、資格の勉強をした時にも、『社会のクズのくせに勉強なんてしても無駄』と書かれた手紙を投函されました。参考書を見ながらノートを取っていただけなのに、正確に言い当ててくるので、心底怖くなりました」
さらには、武田さんは慣れない生活にも追い詰められていきます。
「入社した会社になかなか馴染めずにいたんです。上司とも馬が合わなくて、怒られる毎日でした。そして帰ってきて隣人の手紙がドアポストに挟まっているのを見ると、ただでさえすり減らしている精神をさらに削られるような思いがしました」
そのころから、不可解な現象に遭遇するようになったそうです。
「夜あまり眠れなくなっていったんですが、夜中にふとベランダの窓のほうを見ると、窓越しに誰かがいるようなシルエットを見るようになりました。でも窓を開けてみても誰もいないんです……」