早朝の有酸素運動で効率的にやせるために必要な「たった1つの準備」
運動強度は最大心拍数の4〜6割で
早朝の有酸素運動は、運動強度もその効果に影響を及ぼします。息がめいいっぱいあがるような高強度の運動では、主に糖からエネルギーが消費され、脂肪からのエネルギー消費量が減少するのです。これだと脂肪が燃焼されず、ダイエットには逆効果です。
運動強度を手軽に測るには心拍数に着目しましょう。脂肪の燃焼を最大化するには、自身の最大心拍数の4〜6割ほどの強度で運動に取り組むことが大切です。
最大心拍数はおおよそ「220-年齢=最大心拍数」で求めることができます。例えば年齢が25歳の場合、最大心拍数は195拍となり、最適な運動強度は78拍〜117拍程度の運動となります。
心拍数の測定方法は、運動直後に手首の動脈や首の頸動脈を触り、10秒間の脈拍数を数えます。その数字を×6することで1分間あたりの脈拍数を簡単に調べることができるのです。
具体的な運動のイメージとしては、周りの人とおしゃべりができ軽く息が上がる程度の運動でよいでしょう。運動は苦しいもの、と考えている人でも、この負荷なら続けやすいはずです。
事前の筋トレが効果を引き出す
事前の筋トレは有酸素運動の効果を引き出します。アメリカの学術雑誌に投稿された研究内容には、有酸素運動の直前に筋トレを行なったグループは、筋トレを行わなかったグループと比べ、より多くの脂肪を燃焼させたことが報告されています。
これは筋トレを行うことにより「成長ホルモン」を分泌させることができ、その「成長ホルモン」には脂肪細胞の分解を促進させる作用があるためです。事前の筋トレは、脂肪の燃焼効果をより高めてくれることがうかがえます。
対して、有酸素運動を行った後の筋トレには注意が必要です。東京大学の石井直方教授はWEBマガジン『VITUP!』にて、有酸素運動直後の筋トレは「成長ホルモン」が分泌されず、筋肉がつかないばかりか脂肪の分解も抑制させてしまうことを述べています。行う運動の順番によってもその効果が違うので注意したいですね。
厚生労働省は、成人の運動目標を1回30分以上の運動を週に2回以上と掲げています。まずは、週1回の早朝のジョギングから始めて、慣れてきたら週あたり2〜3回の運動を実施するのが良いかもしれません。忙しい若手サラリーマンは、わずかな時間で有酸素運動を効率的に取り入れることで心身の健康を保つことができます。1度の有酸素運動の効率を最大限に高めていきましょう。
<TEXT/スポーツライター 近藤広貴>