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トゲがついた“武器”が話題に。駐日ウクライナ大使に聞く「ツイッター外交」の真価

ビジネス

コンビニで伝統料理の発売も

 アカウントを覗いてみると、ツイートに対する質問や日本で見つけたウクライナ製品の写真が多数寄せられていて、交流を深めている様子がわかります。その効果もあってか、2020年12月には、首都キエフの伝統料理「キエフチキン」をミニストップが発売(※一部店舗では販売終了)。

 コルスンスキー氏は、どのような手応えを感じているのでしょうか。

ウクライナ

チキンキエフ ※ミニストップ公式サイトより

「Twitterの効果でメディアからの取材が増えました。ミニストップで発売された『キエフチキン』は、PRの効果の一例です。今はコロナ禍で、積極的にイベントを開催することもできないので、Twitterで皆さんと交流の場を持てるのは助かっています。

 ビジネスマンや役場の方と初めてお会いするときに、『Twitterを見ました』と言ってもらえるのも嬉しいですね」

数学者から転身して外交官に

ウクライナ

 コルスンスキー氏は、イスラエルとアメリカ、トルコの大使、ウクライナの外交官が通うウクライナ外務省付属の外交官養成機関「ウクライナ外交アカデミー」の学長を経て、2020年10月に駐日ウクライナ大使に就任しました。日本には、どのような印象を持っているのでしょうか。

「日本で他国の大使と会うと『日本という惑星へようこそ』と言われていました(笑)。なぜかというと、日本はユニークだからです。資源が限られていて、地震も起こりやすい地域ですが、発展を遂げた素晴らしい国だと思っています。日本料理や文化、武道、日本語は存在感が大きくて、ウクライナで日本はよく知られていますよ」

 外交官といえば、政治学や国際関係学分野のキャリアがバックグラウンドにある方が多いイメージですが、コルスンスキー氏は「ウクライナで数学の博士号を最年少で取得した数学者から外交官に転身した」と言います。

「1991年に旧ソ連から独立した当時、ウクライナには外交官があまりいませんでした。そこで政府は、外国語が話せて、専門知識を持っている人材を募集し、約20名を外交官に選びました。私もその一人です」

 最年少で博士号を取得するほどの数学者の素質を持っていたコルスンスキー氏。研究者の道に未練はなかったのでしょうか。

「数学の知識のおかげで経済や技術をより深く理解できますし、外交官として働けることに満足しています。米国とイスラエルに赴任していたときは、経済技術分野と大学との交流を担当していました」

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