夜職、正社員を経て、28歳女性が“慎重な起業”に挑む理由「気持ちがあれば体が動く」
あくまで自分のペースは崩さない
起業家は「意識高い」「向上心がある」「野心がある」といった、ハングリー精神が強くなければ、やっていけなそうなイメージもあります。しかし、木田さんはあくまで自分のペースで楽しんでいると言います。
「複業していることもあって、寝る時間を削るような時ももちろんあります。でも、本当に大変な時は、外注に頼んだりもできるし、やりようはいくらでもあるんです。私にとっては、やりたいことを実現する一番の近道が、起業することだったというだけなんです。
頑張れているのは、やりたいことがなくて悩んでいて、バックに何もない自分でも、ちゃんと自己実現できるということを証明したいという思いもあるのかなと思っています」
企業に必要なのは忍耐力と継続力
「必ずしも人生のすべてを捧げることだけが起業ではないと思う」と話す木田さんは、最初は人も雇わず、ひっそりと登記簿を出してコツコツサービス開発を続けました。小さい規模でなら、会社勤めしながらでも兼業できたそうです。
「始めるのは簡単なんですが、続けていくのが難しい。ただ、自分のできる領域で、それが世の中から必要とされているならやらない手はない。強い気持ちがあれば自然と体が動く。今の会社でやりたいことができないなら、自分で会社を作ってやってみてもいいと思いますよ。
人生、なにか1つにとらわれる必要ってないと思うので。サービスを作るための資金が自費だったため、実質赤字からスタートをしているものの、現在は企業勤めしていた頃の“数倍の月収”を得ることができるようになりました」
誰でもサービスやプロダクトを作ってみるということが、実現しやすい世の中になってきています。複業OKの企業は今後もどんどん増えていくはずですから、勇気を出して「まずは自分にできる範囲で」起業してみても良いのかもしれません。
<取材・文/ミクニシオリ>
【木田奈苗】
大学卒業後、美容業界を経てWebコンサル企業に入社。同社初となる広報部署の立ち上げから参画し広報職に従事。その後フリーランス広報として独立、「広報ラボ」を立ち上げる。現在はWeb広告企業に勤めながら2019年11月、株式会社PATHREE(パスリー)を設立。PR人材と企業のマッチングを行う「START PR」を運営