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電気代高騰で話題の「新電力」は本当にお得なのか、プロに聞く“賢い使い方”

コラム

良くも悪くも、市場価格の影響を受ける

 一方で、契約時には落とし穴もあります。従来の大手電力会社は基本料金に加えて、月ごとの使用量に応じて電気料金を設定していました。

 しかし、2021年1月に目立った電気料金が高騰した新電力会社のケースでは、電力需要が急増すると、国内唯一の卸電力取引市場「JEPX」から電気を仕入れざるをえない現状もあり、電気料金が急騰する可能性もあります。

 この価格にもとづくのがいわゆる「市場連動型プラン」ですが、その背景について丸山さんは話します。

「市場連動型プランは卸電力市場価格によって従量制の料金が決まるため、安いときに恩恵を受けられる一方で、高いときはそのまま電気料金に跳ね返ってくるデメリットもあります。ただ、市場連動型プランを採用していたところでは今回のケースは想定されていなかったことと、経済産業省が救済策をとるように通達を出したため、利用者負担は各社軽減策が取られています」

メリットばかりではない新電力プラン

電気

「また、電気料金は暖房が必要になる冬シーズンに上がりやすくなる傾向もあり、現状で高くなっていたとしても、年間の月平均を見ると割安になる可能性もあります。その点も考慮しながら、各社のプランを検討するのも大切です」

 一長一短ある市場連動型プランですが、契約時の注意点についても丸山さんは解説します。

「目先の安さに飛び付かず、契約の前には約款をきちんと確認するようにしましょう。新電力会社も通信キャリアと同じく、契約にあたり年数ごとのいわゆる“縛り”が設けられている場合もあります。また、今回の市場連動型のケースを教訓として、電力自由化は必ずしもメリットばかりではないと意識しておくのも必要です。

 私たちにとって“電気を使える”という点は従来の大手電力会社も新電力会社も変わりませんが、選択肢が自由になった一方で、事業者を選ぶ私たちにも責任があると肝に銘じてほしいです」

 生活する上で、誰にとっても電気は欠かせないものです。表面的な“お得さ”にばかり目を向けず、情報を慎重にみきわめて契約するようにしましょう。

<取材・文/カネコシュウヘイ>

【丸山晴美】
節約アドバイザー。ケチではなく楽しい節約をモットーに活動。公式HP「らくらく節約生活。

参考:資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化って何?|電力小売全面自由化

フリーの取材記者。編集者、デザイナー。アイドルやエンタメ、サブカルが得意分野。現場主義。私立恵比寿中学、BABYMETAL、さくら学院、ハロプロ(アンジュルム、Juice=Juice、カンガル)が核。拙著『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)。Twitterは@sorao17

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