かまいたち山内、“コンビ結成前夜”を振り返る「初めての相方はハーフ芸人」
2020年には冠番組『かまいガチ』(テレビ朝日)が始まり、YouTubeチャンネルは登録者70万人を超えるお笑いコンビ・かまいたち。
そのかまいたちの山内健司さん(40)が上梓した初の著書で自伝エッセイ『寝苦しい夜の猫』が発売中。家族とのエピソードや、猫への熱い想い、そして相方・濱家隆一さんのエピソードをはじめ、芸人・山内健司の半生がじっくり描かれています。
今や大躍進の彼らですが、コンビ結成したのは吉本興業の芸人養成所NSCに入所した後。しかも相方の濱家隆一さんとはかなりの“コンビ格差”があったそうです――(以下、『寝苦しい夜の猫』から再構成)。
面倒くさくて授業には出なかった
NSCの授業の最初は本当にピリピリしていた。人前でネタをした経験のない人がほとんどで、そいつらの前でネタをするわけだ。まぁ笑いは起きない。全員シーンとした中でネタをしていた。笑いが起きない理由はいくつかある。
① 単純に面白くないから
② 頭の中が自分のネタで一杯のため、人のネタを聞いていられる状況にないから
③「笑ってたまるか」という尖り
そんな空気の中、ピンでネタをするのはかなり度胸がいる。笑いが起きないのはめちゃくちゃ腹が立つし許せない。そこで僕は、自分のネタで笑わないヤツはすべて面白くないと思うようにしていた。仕返しとして僕も人のネタでまったく笑わなかった。
面白いと思えるヤツがいない
そういう負の連鎖が最初NSCでは起こりがちだ。実際、クラスメイトのネタをひいき目に見ても、まったく面白いとは思えなかった。結構な人数のクラスメイトがいて、結構な数のネタを見ても、面白いのがなかった。
自分のネタもウケていないが、そのとき僕は「面白いと思えるヤツがいないってことは、僕はやっぱり抜けて面白いぞ」と思っていた。
今考えるとその思考回路はおかしいのだが、『面白いと思えるヤツがいない=僕が面白い』は僕の中で正しい数式となっており、自分のネタで笑いが起きない理由もこれで説明がついていた。
つまり「僕のネタがつまらない」のではなく、「周りのヤツらが僕の面白さについて これないから笑いが起きないだけ」と。だから先生には伝わってるはずなのでよしとしていた。