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現在も「地球平面説」を信じる人は多い。陰謀論が危うい理由をダースレイダーが語る

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陰謀論を認めれば“証拠に価値がなくなる”

 ところが、不正の証拠はなくても「証拠はあったんだ。なぜなら私が違和感を覚えたんだから。そしてそれを補強する陰謀論がある。答えがここにあった」というのが今蔓延している状況です。

 この「証拠がなくても不正はあった」という議論が認められてしまえば、安倍晋三前総理時代におきた公文書の改ざん問題も、やってもいいことになります。「証拠がいらない=証拠に価値がない」からです

 そして、証拠に価値がないのであれば、自分が不正だと訴えている論拠のベースにも、価値がないことになってしまいます。つまり、陰謀論は正解を与えてくれる代わりに、その物語に不都合な出来事、その物語や正解に対してノイズになるような出来事を、すべて除外していく性格があることがわかります。

 その結果、そもそも“正と不正を説明する論拠”がなくなってしまう。「つじつまが合わない」「ここでこの人とこの人がもう会っていたら、話が合わない」といった論理をどんどん削除していくというのも、陰謀論者の特徴です。物語であれば、良いとこ取りをするのはいいと思います。そして、陰謀論は物語として面白いものもたしかに多いです。あくまでも物語ですから。よくできた物語になっていることも多いです。

反論をすべて物語に回収する

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 これはアートディレクターの高橋ヨシキさんが“ガリレオ論法”と呼んでいるのですが、陰謀論者は陰謀論を擁護するとき、「ガリレオの地動説だって、当時は誰も信じなかったが本当だったじゃないか」と反論します。自分が信じる陰謀論も、今は少人数が言っているだけだけど本当なんだという考え方です。

 構造が一緒なだけで、内容が一緒ということでは決してないんですが、これも前編で話した“ジャンプポイント”です。こうやってガリレオから自分の陰謀論にジャンプして、「ほら! 同じ形をしてるから、同じことなんだ」と物語的に回収していく。いくらそういう事例が過去にあったとしても、それが陰謀論の正解にはなりません。

 世の中ではさまざま出来事が同時に起きているから、これは当たり前です。しかし陰謀論にハマってしまうと「問題の形が一緒だから答えの出方も一緒」と考えてしまう。ここまでに陥ってしまうと、陰謀論に対する反論もすべて物語的に回収されていきます。

 陰謀論者のそういった説明を聞くと、非常にシンプルなことを複雑に説明していることに気づきます

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