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亀田の柿の種、新黄金バランスで目指した「脱・親父のおつまみ」

ビジネス

“脱親父のおつまみ”を目指すブランドづくり

 そして、2019年からは芸能人のマツコデラックスさんをCMに起用。主婦に扮した「ママツコ」というキャラクターで、メーカー目線ではなくお客様目線で物申すCMを放映した。こうした、常に話題に事欠かないプロモーションで、亀田の柿の種のブランド力の強化や新たなファン獲得に繋がっているのではないだろうか。

亀田製菓

マツコデラックスさん扮する「ママツコ」のCMの1コマ

 コロナ禍による巣ごもり消費や家飲み需要の高まり。まだしばらくは続く状況に、亀田の柿の種はどのようなブランド展開をしていくのか。

「売上は好調に推移しています。2020年2月以降StayHomeで巣ごもり消費が伸展したため、供給面については在庫切れが出ないように頑張りましたね。また、2020年5月に比率変更のリニューアルを実施したこともあり、大きく売上を拡大した1年になりました」

米菓売上ナンバーワンでも攻めの姿勢を

亀田製菓

2020年に行った「亀田の柿の種何なの? 問題」キャンペーン。「おやつ派」や「おつまみ派」または「それとも派」など、さまざまな意見が寄せられたという

「今後も家飲み需要に関しては継続すると考えられますが、ブランドとしては2019年に実施した国民投票や2020年に実施した『亀田の柿の種何なの?問題』のように、お客様を巻き込んだ形でブランドを共創していけるような施策を打っていきたいと考えています」

 さらに“脱親父のおつまみ”を目指し、今後も主婦や家族、若年層向けのプロモーションを展開していくとのこと。

「亀田の柿の種は米菓売上ナンバーワンのブランドでありながら、まだまだ『自分に向けたブランド』だと認識していただいていないお客様は多くいらっしゃるかと思います。商品、店頭、プロモーション、SNS等を活用し、新たな価値を提供することでより多くのお客様に楽しんでいただけるブランドへと成長できるよう尽力していきます」

<取材・文/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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