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29歳商社マン、初のアフリカ出張。意外な日本製品がワイロ代わりに

コラム

 企業のグローバル化が進んだ現在は、出張先が海外であることも珍しくありません。いかにもバリバリ働いているエリートのイメージがある海外出張ですが、渡航先によって環境は全然違います。特に途上国だと治安や衛生面も不十分でかなり過酷とか

空港

画像はイメージです(以下、同じ)

 2019年に出張でアフリカ某国を訪れた専門商社に勤める関根敦史さん(仮名・29歳)も、あまりのカルチャーショックで「到着1日目にしてもう日本に帰りたくなった(苦笑)」といいます。

入国審査でまさかの…

「初めての国で日本人もほぼいないと聞いていたので不安でしたが、日本からは乗り継ぎの飛行機も含めてずっとビジネスクラス。機内ではシャンパンを飲みながら映画を見たりして快適な時間を過ごしていたんです。

 でも現地の空港は埃っぽくて建物も古いし、一国の首都なのに日本の地方空港ほどの規模しかない。これは覚悟しなければならないと思い、酔いもすっかり醒めてしまいました」

 そんな彼に早くも試練が訪れます。空港での入国審査の際、ビザや黄熱病ワクチンなどの予防接種証明書など必要な書類は持っていましたが、恰幅のいい中年の男性職員から「入国できない」と告げられてしまったんです

ひたすら頼み込んでことなきを得るが…

ワイロ

「けど、その後に続けて『特別に入国を認めてあげてもいい』と言われ、賄賂の要求だと気づきました。私は親が駐在員で子供のころはアメリカに住んでいて、旅行や出張でこれまでに10数か国に訪れたことがありますが、賄賂はこれが初めて。

 ただ、上司からは聞いていましたし、体験者が投稿したと思わるネットの情報などもチェックしていたため、『本当にあるんだ』って思う程度でそこまでの驚きはありませんでした」

 会社からは「対応は任せる」と個人の裁量に委ねられていたそうですが、相手に言われるまま賄賂を払うのは癪(しゃく)にさわったので交渉。最初は入国できないの一点張りでしたが、相手も面倒臭いと感じたのか途中で「わかった。行っていい」とスタンプを押してもらい入国を認められたそうです。

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