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リクルートの元トップ営業マンに聞く、コロナ禍でも「心が折れない営業術」

学び

 営業は「断られてなんぼ」ともいわれるが、実際に断られるとキツい。たとえトップセールスマンであったとしても、キツい断られ方をした経験は何度もあるものだ。とはいえ、それに対する対処法やセオリー、テクニックは後天的に身につけられる。

電話をかける

画像はイメージです(以下同じ)

 そこで今回は、リクルートの元トップセールスマンで、現在は企業向けの研修講師を行う伊庭正康氏に、新規架電時の電話ガチャ切りや「営業はお断り!」といった厳しい客に向けた対応や、コロナ禍におけるシビアな状況に対して、凹まず賢く対処するテクニックを教えてもらった。

トップセールスマンのツラかった体験

 伊庭氏は、リクルートグループ各社で営業の最前線を20年以上走り続け、年間全国1位を4回獲得し、累計40回以上も社内表彰された経験を持つ。そんな百戦錬磨の伊庭氏でも、大変な思いをしたことは多々あるそうだ。そこでまず、過去ツラかった体験を3つ挙げてもらった。

1. 必ず入金が遅れるお客に翻弄された
「お金払いの悪いお客様に翻弄されたことがありました。必ず入金が遅れるお客様がいらっしゃり、その都度、督促(さいそく)をかけるものの、『お金を払ってください』と言うのはあまり気持ちの良いものではありませんから。しかしこれも契約するときに、きちんと厳しさを見せ、根気強く対話をする姿勢があれば、解消できていたことを後で学びました」

2. 立て続けに結果が出ず、強いプレッシャーを受けた
「入社当時のことでした。景気が悪くなったときほど自身の実力不足に直面します。良い話にはなるものの、立て続けに契約に至らないことが増え、目標に対するプレッシャーに追い込まれ、眠れなくなるくらいに。原因は、営業のやり方がわからないままに新規開拓を続けていたことにありました。その後、セオリーを学び、悩みはしっかり解消できました」

3. お客の完全な誤解で無視され続けた
「『二度と顔を出すな!』と怒鳴られ、無視をされ続けたことがありました。電話をしても、訪問をしても、門前払い。実は先方の勘違いで完全な冤罪だったんですが……。それでも1週間に1~2回、訪問し続けたら、半年後に『やるなぁ』と言われ、取引が再開。この経験から、あきらめないことの大切さを学びました」

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