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不調の自動車業界でボーナス60万円も!27歳整備士の堅実な働き方

学び

将来の独立に向けたいい経験になる

整備士

「初対面の方に職業を伝えると、驚かれることが多いんです。まあ、塗料が付いたまま落ちなくなった手を見せたりすると納得してもらえますけどね。ただ、営業に関しては『整備士として現場で働いている方だから話にも説得力がある!』と取引先の方も言ってくれています。これまで培っていた仕事が営業にも生かせるのはやりがいを感じます。それでも整備や修理で車をいじっているほうが楽しいですけど」

 しかし、自動車整備士と営業職は本来まったくの別業務。どちらの経験も積めるのは貴重です。

「日本だけじゃなく世界中が大変なのにボーナスが増えたのはすごくありがたいです。それに将来的には独立することを考えているため、自分が経営者になったときにこの経験はすごく役立つと思うんです

 営業一本で仕事をされている方に比べると、まだまだ劣る部分はあるでしょうけど、負けてないところだってあるはず。それに営業は自分の努力次第で成績に直結しますし、そこがいい意味で仕事へのモチベーションになっています。やっぱりお金は好きですし、収入も増やしたいですから」

飲みに行かなくなり、貯金に回せるお金が増えた

 今は将来の独立に向けて開業資金をせっせと貯めており、ボーナスも大半を貯金に回す予定です。

「お酒が好きなので飲みに行きたいところですが、こんなご時世なので家飲みで我慢する予定です。整備だけやっているならそこまで考えなかったでしょうけど、営業もやっている今は取引先にも迷惑をかけることになってしまいますから」

 おまけに安達さんは20代にしてすでに妻子がいる身。夜も自宅で過ごす時間が増えたため、奥さんと子供は喜んでくれているそうです。

「僕が家にいるほうが飲み代の節約になりますし、嫁からは『コロナが終わっても外飲みは控えろ!』って脅されてますけどね(苦笑)。それでも子供と一緒に過ごす時間もずいぶん増えたし、そこは悪くないと前向きに捉えています」

 こんなことが言えるのはボーナスが増えたからかもしれませんが、本人の努力と成果がちゃんと反映されているのも事実。ですが、そうだとわかってもうらやましく感じてしまうものです。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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