bizSPA!

流行りの詐欺「アポ電強盗」から、コロナ調査を装う強盗まで

暮らし

SNSで隠語を使って実行犯を募集

 3つ目のパラダイムチェンジである「強盗」の手段を使うことで、犯罪グループは「お金を渡さなければ被害には遭わない」という詐欺から身を守る常識を覆してしまったのです。

 実行犯の多くは、特殊詐欺の受け子と同じように、SNSを通じた闇バイトとして募集されます。ネットを見ると「U」(受け子)「D」(「出し子」ATMからキャッシュカードを使ってお金を引き出す役)そして「T」(「たたき」強盗の隠語です)という文字を使っての募集もみられます。

 コロナ不況により仕事を失い、お金に困った人たちがSNSを通じて闇バイトに応募して、犯罪に走っています。彼らは警察に逮捕されてしまう存在ですが、この不況下では幾らでも代わりがいるため、詐欺グループとしては犯行をしやすい状況なのです。

ガス会社の点検を装う「点検強盗」も増加

インターホン

 さらに手口は進化します。2020年の夏ごろから、アポ電強盗に続き、点検強盗も多発しました。高齢者宅にガス会社を装った2人組が訪れ、家人がドアを開けるや否や中に入りこみ、手足を粘着テープで縛り、家にある現金とキャッシュカードを奪い逃走するというものです

 事前に「本日いらっしゃいますか?」と電話をかけてから犯行に及ぶパターンもありますが、多くは突然訪問する形を取ります。高齢者宅の名簿をもとにやってくる、ゲリラ戦術といえます。

 点検強盗が増加する背景には、「暗証番号は教えない」という注意が日本中で徹底されていることがあるかもしれません。

 カードを騙しとれても、暗証番号を教えてもらえないのでは、結局お金を引き出せず、詐欺犯にとっては犯行失敗ということになります。それを避けるために、刃物をつきつけてまで暗証番号を聞き出すことに固執するのでしょう。

おすすめ記事