「ポケモンに詳しくなかった」30代社長が語るポケモンセンターの未来
国内外で愛されるポケモンの世界観をリアルに体験できるポケモンセンター。ピカチュウをはじめ、さまざまなポケモンとふれあえる空間に訪れる人たちの様子や、その裏側にある店舗運営の工夫とは――。
株式会社ポケモンセンターの代表取締役社長・上郷頼臣さん(38歳)に話を聞きました。
シニア層から子どもまで、3世代が足を運ぶ
――ポケモンセンターのターゲット層は、どういった人たちでしょうか?
上郷頼臣(以下、上郷):国内のケースですが、1996年2月にポケットモンスターシリーズの最初のゲームとなった初代『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されてから24年以上が経ち、当時からシリーズを楽しんでいただき今は親の世代になっている方もいますし、もちろん、今の子どもたちもいます。
一方で、散歩がてらに位置情報ゲームアプリ『Pokémon GO』を楽しんでいるシニア層の方々もいます。そんなアプリをきっかけにポケモンへ触れるようになった方が、お孫さんまでの3世代にわたり、店舗へ足を運ぶケースも目立つようになってきた印象もあります。
――1998年4月にオープンした「ポケモンセンタートウキョー(当時)」を皮切りに、現在では、ポケモンストアを含めて国内には29拠点を構えています。
上郷:ポケモンセンターは全国15店舗で、ポケモンのオフィシャルショップという位置付けです。ファンのみなさんが集まれる場所として、関東や関西では複数の店舗をかまえているケースもありますが、基本的には各地方に1店舗のイメージで拡大していきました。
一方のポケモンストアは、空港や駅など観光客のみなさんが行き交うハブのような場所に出店していて、手軽にグッズが買えるお店として展開しています。
ポケモンをより長く、好きになってもらう
――2019年4月には初の海外拠点として、ポケモンセンターシンガポールもオープンしました。
上郷:ポケモンセンター自体は「0から1でポケモンを知ってもらう」のではなく、テレビアニメや映画、ゲームなどを通してポケモンを知っていただいた方々に、ポケモンをより長く、より好きになってもらうための場所です。そのためにさまざまなポケモンコンテンツに触れる機会もご用意しています。
シンガポールでは、現地でのご縁が繋がったこともあり、出店を決めました。また、店舗のあるチャンギ空港は、東南アジアのハブ空港でもあるため、海外展開の最初の場所としてふさわしかったというのもあります。
――海外のターゲット層は、いかがでしょうか?
上郷:シンガポールがオープンする以前も、パリやロンドンに期間限定の店舗を展開したケースはありましたが、常設の店舗は初めての試みだったのもあり、さまざまな国の方々に訪れていただいています。