もう「同じような毎日」には飽きた…生を充実させる“先人の知恵”とは
つまりは「死を想って自分を生きろ?」
そうして彼は、人はこの死という可能性を了解して向き合い(先駆)、自分自身が本当にしたいこと(存在可能)へ志向する態度こそが、本来的な生き方であると結論づけたのです。
<《死へ臨む存在》は《可能性のなかへの先駆》となるとき、はじめてこの可能性を可能にし、これを可能性として発揮するものなのである。(中略)先駆とは実は、ひとごとでないもっとも極端な存在可能を了解することの可能性なのであり、とりもなおさず、本来的実存の可能性なのである>(同上)
私たちは平穏な生活と引き換えに、いつの間にか単調な日常へと飲み込まれてしまいます。仕事に行かないといけないから行く。家事をしなくちゃいけないからする。知らず知らずに「やらないといけない」が動機となっていきます。しかしハイデガーは教えてくれました。これは非本来的な生き方だと。
「必ず訪れる死を自覚し、自分が本来したいことを選択する」
どうしようもなく繰り返しの日常に飽きてきた。そんな時には、この言葉を思い出して改めて生との向き合い方を考え直したいですね。
<TEXT/DECODE 哲学書専門の本屋>