“Youtuber養成校”に希望者が殺到、バンタン会長が語る55年の軌跡
実践教育と実績にこだわり続けたい
しかし学校法人ではないデメリットも少なくないはず。
「学校法人ではないため、公的な学位がないことをデメリットだととらえる人もいるかもしれません。それがネックになって、入学希望者の親御さんが入学を反対することもあるようです。
しかし、我々には創業55年の歴史とこれまでに社会の即戦力となる19万人以上の卒業生を世に送り出してきた実績があります。教育の成果がどれだけ出ているかを評価してもらった証として、卒業生が活躍している企業からは『バンタン新卒者の待遇は、短大卒以上を保証する』といった『認可証』を発行していただくケースもあり、多くの企業や業界から認められていると結果で証明しています。
運営側としては確かにデメリットもあります。学校法人は非課税ですが、当社は企業のため、どれだけ社会に貢献する人材を輩出しても法人税を納めなければなりません。
また今回のコロナ禍では、学費を払うのが難しい生徒さんを支援するために当社独自の『学生支援緊急割引制度』を設けました。当初は国の『学生支援緊急給付金』を使えないか打診したのですが、文科省からは『学校法人ではない』ことを理由に拒否されてしまいました。いろいろ差別されることはありますが、それでもバンタンはあくまで実践教育とその実績にこだわり続けたいと思っています」
人生100年時代で生き抜くには
「世界で一番、社会に近いスクール」を掲げ、直近でも世の中の変化に敏感に対応した様々な取り組みを見せている。今後はどのような方向に向かっていくのだろうか。
「バンタンが見据えているのは『個の時代』です。人生100年時代が到来し、生き抜くためにも継続的に価値を生み出せる人材になることが求められています。そのためには個々人が学び続けなければなりませんし、自分の好きなこと、得意なことをキャリアにすることが最適です。
セルフラーニングがより重要になっていますが、コロナ禍によるリモートワークの促進、副業の解禁によるパラレルキャリアなど働き方も変化しています。そこで、IT専門スクール・バンタンテックフォードアカデミーでは10月から『どこでもスタディ』制度を開始しました。
生徒は通学せずに、キャンプ場や海の近くのゲストハウスなど自分の好きな場所から授業に参加できるものです。いつでも、どこでも、どんな状況でも気軽に学べるのは、これからの新しいスタイルになるはずです」