コロナでなぜか爬虫類専門店が人気。有事を追い風にする「儲けの秘密」
ホテルや飲食店などを中心に、軒並みコロナ不況に陥っているなか、意外な職業が利益を出していた。先見の明と確かな戦略と少しの運でこの有事を追い風にする「儲けの秘密」とは? 逆風のなかで「勝つ」ヒントがここに隠れている!
無臭、無声、ノーアレルギー。時流に合致し増益
ヘビやカメ、トカゲやヤモリなどの爬虫類をはじめ、カエルなどの両生類、さらにはクモやサソリなど幅広く扱う、エキゾチックアニマル専門店「爬虫類倶楽部」。キワモノと敬遠する向きも多そうだが、コロナ禍で売り上げを伸ばしているという。グループ7店舗をまとめる渡辺英雄社長に聞いた。
「4月半ばから、売れ行きのプラスの変化を強く感じるようになりました。海外からの生体輸入が大幅に滞る状況でも、売り上げは前月比増を続けています。自粛生活で寂しさを感じ、生き物と暮らしたいと思う人が増えたのでは」
爬虫類は毛穴がないゆえ体臭がなく、アレルギーの心配も少ない。鳴かないから犬猫禁止のマンションでも許されやすく、これが購入の決め手になっているようだ。
ネット販売が禁止ゆえ、対面販売の販路がモノをいう
「自社店舗での販売の他、ジャンボエンチョーやジョイフル本田など、全国の250近いホームセンターにも卸していて、そちらも好調。爬虫類を飼うことは、もう特殊な趣味ではありませんよ。たとえば人気のあるヒョウモントカゲモドキは、5月だけでも500匹輸入しましたが、全て月内に売り切れたほどです」
さらに、新規客だけでなくマニアの需要も取り込んでいる。
「法的に通販が禁じられているペット業界では、生体を安く買える場として対面の即売会が大人気です。しかし、コロナ自粛で軒並み中止となり即売会に向けて資金を貯めていた愛好家たちがウチで買ってくれるようになったんですよ」
業績は好調で、今期は数か月分のボーナスを受け取る社員が出る予定なのだとか。
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