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月収8万円…会社をやめて「1文字0.5円」専業ライターになった男の現実

学び

在宅で仕事ができるのは魅力

手取り10万台

 棚瀬さんの仕事の文字単価は少しずつ上がっていったそうですが、現在一番高い報酬のところでも1文字1.5円。一般的なライターの立場から見ても、彼の原稿料はかなり安いというのが正直な印象。副業ならまだしも、専業にしているプロのライターにふさわしい報酬の額ではありません。

「でも、今まで請け負っている仕事は外での取材とか必要ありませんし、すべての作業が自宅内で完結します。それに対して、報酬の高い仕事って取材も多そうですし、求められる原稿のクオリティってすごく高そうじゃないですか。何の経験や予備知識もなく、いきなりフリーのWebライターになった自分が通用するかなって不安もあるんです。

 だったら激安報酬には目をつぶって今まで通り安い仕事を受けていたほうがいいのかなって。自分の場合、自宅に籠って仕事ができるから今の仕事を選んだだけで、ライターとして有名になりたいとかそういう意識はないので」

一生の仕事にするのは難しい

 そうは言いつつもプライドがあるのか、友人には「コンビニ売りの雑誌にも記事を書いている」とウソをついているとのこと。

「友達にライターをしてるって話したら『どこで書いてるの?』って言われたからつい……。適当な雑誌名を挙げて、署名記事じゃないからってごまかしましたけどね。誰も聞いたことのないようなサイトで記事を書いているとは恥ずかしくて言えなかったんです」

 周りに対する見栄もさることながら月8万円という収入では一生の仕事にすることも難しいです。そのあたりはどう考えているのでしょうか?

「いつかハッキリさせなきゃいけないことは僕もわかっているんです。親は仕事について何も言わないですけど、あまり稼げないのは知っているので不安には思っているはずです。僕も30歳までには今後のことを決めなきゃとは思っています。本当は今の感じのまま一生暮らしていければそれでいいかなと考えたりもしますが、やっぱり収入的に難しいので」

 学生のバイトや主婦のパート代並みの収入では、生活に苦労するのは必至です。両親に依存できるうちはいいですが、いずれもそうも言ってられなくなるでしょう。近い将来、路頭に迷うことにならなければいいのですが……。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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