コロナ倒産が600件に迫る勢い。過去最大の倒産ラッシュとなる業種も
小田原を代表する老舗企業が倒産
ここからコロナ倒産関連の具体的な事例を紹介したい。国外に目を向けると、9月はアメリカの飲食業においても大きなニュースがあった。
日本でも10店舗を展開しているグリル料理レストラン、シズラーが倒産。シズラーの日本法人は、商標権のライセンスを取得しており、今後も変わらずに営業するという発表を出している。とはいえ本国アメリカでは1958年創業の歴史あるレストランチェーンもコロナの影響を乗り切ることができなかった。
老舗でも安泰ではないのは日本も同様だ。
10月2日には、1869年創業の神奈川県小田原市の「(株)丸う田代」(負債額:約24億円)が自己破産申請の準備に入ったと報じられた。丸う田代は、かまぼこやちくわといった水産練製品を手がける企業で、「農林水産大臣賞」や「内閣総理大臣賞」を受賞した商品もあるなど小田原を代表する名産品のひとつとして知られていた。
47都道府県でくまなくコロナ倒産が…
また、飲食業以外でも見過ごせないニュースが「九州介護支援事業協同組合」(負債額:約6700万円)の経営破たんだ。九州介護支援事業協同組合は外国人実習生を受け入れるための団体で、受け入れ団体の経営破たんは全国初となる。
外国人労働者の受け入れは今後も当面は厳しいと言わざるを得ない。海外からの入国者減少でダメージを受ける業界としては観光業をイメージしがちだが、労働力を頼りにしていた企業、またその窓口となっていた団体の倒産がドミノ倒しのように続いていく可能性もある。
数の上では都市部が多いが、それ以外でも倒産数が増加している。8月末の段階では高知県が47都道府県で唯一新型コロナ関連の倒産がゼロだったが、9月に「NPO法人オーガニックスタイルこうち」(負債額:約2300万円)が倒産した。これにより47都道府県全てで新型コロナ関連の倒産が発生したこととなる。
老舗の企業であっても、日本のどの場所であっても、コロナで経営破たんしてしまう可能性があるわけだ。