EXILE佐藤大樹、橋本環奈との共演で「初めてだった」と語る体験とは
エンタメの力は無限だと思っている
――本編に、小説は「人の心を動かす力がある」との言葉が出てきます。これはエンタメ自体に言えることかなと。佐藤さんはエンタメの力をどう感じていますか?
佐藤:以前、ATSUSHIさんが「歌で病気を治したい」と言っていたんです。それは究極かもしれませんが、でもダンスも同じで、具合の悪い子がライブに来て、元気になって帰っていくこともある。
本当に大きな力があると思うし、僕自身、進路に悩んでいた中学2年生のときにEXILEのライブを見て感銘を受けて、次の日からダンスを始めた。つまり、実際に人生を、心を動かされた一人なんです。僕もいろんな人の心を動かせたらと思いますし、エンタメの力は無限だと思っています。
――本編は「書き続けることの強さ」についても触れています。
佐藤:子どもの頃からサッカーの監督に「継続は力なり」と言われてきました。今はHIROさんにたびたびそう言われています。「可能性を信じてやっていれば、必ず実るときが来るから」と。僕自身、挫折しそうになったとき、何度も自分自身に言い聞かせてきました。
――ひとつのことを続けることは大変ですが、続けているからこそ見えてくるものも、実際あるのでしょうか。
佐藤:ダンスを始めたての頃、自分は練習しても全然うまくならないのに、周りにはうまい人がいっぱいいて、しんどいことばかりでした。EXILE加入前のオーディションでは特にそう感じていました。ほかの参加者に比べて、自分が追い付いていない現実を見たり、他の人よりフリの覚えが悪かったりして「なんで……」という気持ちで焦っていた。
でも今は、ステージの上で踊っているときも、お客さんが楽しんでくれているのはもちろん、自分たちが楽しめている感覚がすごくあります。本当の意味でダンスを好きになれたと思うし、この「楽しさ」は続けていなかったら、分からない感覚だと思います。
キツくても、好きなら苦じゃない
――佐藤さんはもともとグループとして有名だった「EXILE」に途中加入しました。プレッシャーはありませんでしたか?
佐藤:一番年下であっても同じ土俵に立たないといけない。それはあります。でも、のびのびとやらせてもらっています。むしろ最年少だからできることのほうが多いです。
――ダンサーと俳優の二足のワラジを履くことに、負担はないですか?
佐藤:正直、なくはないです。ライブ中、フリを覚えなきゃいけないのに、作品が重なってセリフも覚えなくちゃいけないこともある。キツイですけど、好きなことしかやっていないので。好きだから踊って、芝居している。それでご飯を食べている。だからキツイことはあっても、苦ではないし、好きだから楽しいです。