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阿部純子、“シングルマザーの気持ち”になっての発見「寄り添うことが支えに」

暮らし

自粛期間で私らしい感覚を取り戻した

Daughters

――逆にいえば、外ではやはり差別とまで言わなくても、受け入れてもらえていない感覚があったのでしょうか?

阿部:全くないと言ったら嘘になります。でもそれって、自分が世界をどう感じるかによると思うんです。自分は受け入れられたと感じるのか、受け入れられていないと感じるのか。どこを強く感じ取るのか。私にはそのクラスでの出会いがあった。違いを分かって受け入れてくれる人たちがいたから、自分もちゃんと受け入れられる人になりたいと思うようになりました。

――「人生は計画通りにはいかない」というお話も出ましたが、いままさにコロナ禍によって、みんながそうした体験をしています。阿部さんはどう過ごしていますか?

阿部:私は原点回帰しました。自粛期間中、外に出られなかったときに、自分ができることとできないことを見つめて、できることをコツコツやることによって、自分にとって居心地のいいこと、違和感のあることを気づき直しました。

 その感覚を大切にすることによって、生きやすくなったと思います。もちろん、社会的に大変な状況にある方もいますので、一概には言えませんが、私自身の感情の部分では、私らしい感覚に返れたきっかけでした。

影響を受けた先輩は薬師丸ひろ子さん

阿部純子

――阿部さんは、多くのことを考えながら、そこからポジティブな面を拾えるタイプのようですね。

阿部:結果的にそうなっていることが多いですが、とても小さな可能性レベルの怖れも考えてしまうんですよ。それで悲しくなったりどうしようもなさを感じたり。でもそうしたとき、周りの方々が助けてくださるんです。

――やはり大切なのは人とのつながりですね。ちなみにこれまでお仕事してきたなかで、影響を受けた女優さんはいますか?

阿部:薬師丸ひろ子さんです。2011年の映画(『わさお』)でご一緒したんです。そのときに色々お話させていただきました。薬師丸さんは、『セーラー服と機関銃』の相米慎二監督とか、巨匠と言われる多くの監督方とお仕事をされてきた大女優さんです。

 そんな薬師丸さんが、全くおごらず、とても自然に現場にいらっしゃって、撮影当時10代だった私の話をすごく聞いてくださいました。あの佇まいに、とても影響を受けました。

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