手取り15万の医療事務の嘆き「夏のボーナスがコロナで半減…」
コロナの影響で診療や入院患者の受け入れを大きく制限されている医療機関。日本病院会などの調査によると、2020年6月に67.7%の病院が赤字経営に陥っている(回答数1459病院)といい、実際に医療関係者への夏のボーナスが減額になったという話も各方面から聞きます。
東北地方の農村にある私立総合病院で医療事務として働く萩村芳子さん(仮名・25歳)もこの夏のボーナスが半減。最初にその話を知ったときは、ショックでその場をしばらく動くことができなかったといいます。
メールでボーナスカットを知る
「病院側からスタッフ向けに一斉配信されたメールを見て知ったのですが、『新型コロナウイルスの影響により……』みたいなことが長々と書いてありました。
私は事務方ですから下っ端でもコロナで外来の患者さんが激減した病院の経営状態が悪化しているのは知っていたつもりです。仲のいい同僚とは『ボーナスカットとかにならないよね?』とは話していたのですが、まさかそれが現実のものとなってしまうとは……」
萩村さんは20歳で大学を中退後、別の会社を経て現在の病院に転職。給料は額面で約19万円。3年経った今も基本給は1000円しか上がっていません。
看護師の給料と比べると…
「手取りだと15万円をギリギリ超える程度とビックリするほど安い。それも月15時間分のみなし残業込みの額ですが、みなし分を超えて残業することはまれです。だから、残業手当で給料が増えることもまずありません。
そもそもの話、看護師のほうはどこも給料はわりと多いですけど、医療事務はどこも給料は少ない。同じ医療系ですがこちらは資格がなくても働けますし、正直扱いはあまり良くないですね」
とはいえ、超高齢化社会を迎えるにあたり、入院病棟を持つ大きな総合病院は地域医療にとってますます欠かせない存在です。余程のことがない限りは閉鎖されることはないはずなので安定性のある仕事と言えるかもしれません。
「でも、いくら安定といっても限度がある。ウチみたいに給料が安すぎると逆に魅力どころか嫌味ですよ。ほかにアピールすべき材料が見当たらないからそう言ってるだけ。それでも将来出世できればまだいいですが、自分はその辺も望み薄っぽいので……」