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セブンが米国で2.2兆円買収劇。コロナ禍で大勝負に出たわけ

ビジネス

ガソリンの売上は大幅に減少

 米国のセブン-イレブン・インクでも商品売上は堅調な一方、ガソリン売上の減少が顕著でした(アメリカのコンビニではガソリンを販売するところも多いです)。具体的には4月は前年同月比約40%、5月は約50%と、大きく落ち込んでいます。

日米売上高比較

ガソリンの打ち上げが明らかに落ちている(図版は筆者作成)

 セブンと同様に、スピードウェイがガソリン需要の減少で受けた影響は大きかったと考えられます。米国のセブン-イレブン・インクが直営またはフランチャイズ展開する店舗では、ガソリンが売り上げ全体に占める粗利は約2割に過ぎません。しかし、スピードウェイは売上全体の8割をガソリンが占め、粗利の5割をガソリンが占めている状況でした

 また、スピードウェイは、フランチャイズビジネスをしておらず、直営店のみで展開していたことも痛手で、こちらも経営に大きく影響したと考えられます。

コロナの影響で買収が早まった

 今回のスピードウェイの買収について、金額規模は比較的大きいものの、スピードウェイのEBITDAに対する買収価格は決して高すぎるとは言えず(EBITDA倍率は7〜14倍)、高値で買収をしたとは言えません。

 ガソリン売上の減少によるスピードウェイの業績の急速な悪化が、今回の買収タイミングを早めるとともに、買収価格にも少なからず影響をしたと筆者は推測します

 実際、セブン&アイHDの発表では、本件取引の取得対象事業は24社(※100%子会社でないものを含みます)から構成されますが、取得対象企業について、個社毎の財務状況を正確に開示できないため、「企業概要については、代表的な企業1社についてのみ記載いたします」との記載がありました。

 個社の財務状況を正確に開示できないというコメントからも、新型コロナウイルスの影響が何らかの影響を及ぼした可能性が考えられます。

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