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店長のパワハラを発見するために…職場でLINEを交換した結果

学び

証拠を集めパワハラ店長を処分

SNS

「そこで店長から届いたメッセージのスクリーンショットを送ってもらいました。パワハラの場合、証拠があると会社としても動きやすいからです。本来こんなことはあってはならないのですが、何事にも備えておく必要があります。

 店内の防犯カメラでもチェック可能ですが、私はバイトのみんなに『音声や映像、スクショなど何でもいいから証拠があると助かる』という話をしていました。彼もそのことをきちんと覚えていてくれたようです」

 上司に報告すると、彼以外のアルバイトやパートにヒアリングを行うように命じられ、ほかにもパワハラ被害者が複数いたことが発覚。さらに店長のパワハラが原因で辞めたアルバイトもいました

「店長は当初、『パワハラなんてやっていません!』と否定していましたが、こちらがアルバイトの方たちから手に入れた店長からの威圧的なLINEメッセージのスクショ、厨房や事務所で彼らの怒鳴りまくる防犯カメラの映像を証拠として見せると、うなだれるように事実を認めました」

店舗スタッフと社員のLINEを奨励

 この店長は解雇にこそなりませんでしたが、降格処分になって再研修を課せられたとか。ですが、社内でパワハラを行った人物として見られて肩身が狭かったのか、処分から数か月と経たないうちに辞めてしまったといいます。

「同じようなパワハラ被害者を出さないためにも店長向けの研修プログラムを見直し、アルバイトやパートの方たち直接本社の相談できるような専用窓口も作りました

 ただ、社員とバイトが直接やりとりできる環境も残しておいたほうがいいということになり、今は私以外の社員も店舗勤務した際には積極的にLINEを交換するようにしています。ただ、相談といっても恋愛など仕事と関係ない相談をされることも多いですけど(笑)」

 でも、社員にそうした悩みも打ち明けられるような職場であれば、アルバイト先としても働きやすそうですね。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/もがみやなつき(@onatsu_moga)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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