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今年、海でのトラブルが多発するかも…『海猿』出演のプロライフセーバーに聞く

学び

現在はジュニア世代の育成も

ライフセーバー

ライフセーバーたちが「パトロール要員」として配置されている海もあるようだ

 タレントとしての活躍を続けていた飯沼さんだったが、2006年には千葉県館山市に「館山サーフクラブ」を設立。水難救助活動や、後進の育成に携わっている。

「ライフセーバーのことを知ってもらいたいという想いもあって、俳優をしていましたが、『どっちつかずはまずいな』と思って、30歳を超えたあたりから、ライフガードを中心とした生活に切り替えました。芸を研ぎ澄ましている人が立つ舞台。僕でなくても良いかなと思いました

 現在は、館山市に加えて、南房総市にも拠点を置いて、ライフセーバーとしても活動しています。もともとは手付かずの状態で、事故の多いエリアでした。

 活動の他に、『自分の育った海は自分で守る』ということを目標に、ジュニア世代も育成しています。活動初期のメンバーは、今年大学4年生。一緒に浜辺に立てる喜びも噛み締めています」

「溺水大国」日本を変えたい

飯沼誠司さん

現在は会社設立して後進の育成に携わっている

「海外のレースに出場していた頃、外国人の選手に『日本人観光客が、かなり多く溺れている。お前が日本でもライフガードをメジャーにしろ』と言われました。実際に統計上、日本人の溺死(浴槽内での溺死が多い)は交通事故死よりも多いですし、浜辺に行った時に、まずはライフガードを探すという習性も浸透していない。

 人がいない場所に行ってしまって、それが危険水域だったり、『気づいたら手遅れ』というケースも多くある。僕らはこれまでに、ルールを守らない人、バーベキューコンロを浜辺にそのまま捨てて帰る人など、かなりダメな事例も見てきています。ライフガードとの信頼関係を築くところから変えていかないと、日本の水辺の文化や、日本社会そのものもよくなっていかないのではないかと思っています」

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